2021年(令和3)元旦の初夢は、なんと「東京オリンピック」だった。テレビを見ている自分がいて、そのテレビのモニターには国旗を掲げた選手団が次々と入場行進してくる。なぜか、ニュースキャスターの辛坊治郎氏が選手団について「最近のロシアでは・・」「インドでは中国に対し・・」などと時事解説を行っている。それを違和感なくじっと見ている自分の姿だった。ふと目覚めて時計を見ると、午前2時33分。再び寝込んだが、夢の続きを見たかどうかは覚えていない。
きょうのブログは初夢が正夢になってほしいと願いつつ書いている。知人と話していても、「このままだとオリンピックの開催は無理だろう」との声をしばしば耳にするようになってきた。政府の新型コロナウイルス対策担当の西村・経済再生担当大臣は自らのツイッター(12月30日付)の動画で「新型コロナウイルスの感染がこれ以上拡大すれば緊急事態宣言も視野に入る」と述べている。コロナ禍の拡大は止まず、ウイルスの国内感染はきのう国内で初めて4000人を超えて4188人と過去最多となった(12月31日付・NHKニュースWeb版)。暗雲が垂れ込める正月を迎えた。
起死回生、頼みのワクチン接種はどうなのか。アメリカやイギリスなどではすでに一部で接種は始まっているが、日本ではアメリカの製薬大手ファイザーのワクチンの承認申請が行われていて、早くて2月中に承認されるかどうか結論が出る見通し(12月28日付・同)。このニュースを見て、開催国の日本がこの対応の遅さで果たして選手団を迎えることができるのだろうか、と思ってしまう。
CNNニュースWeb版日本語(12月31日付)によると、アメリカ国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長がインタビューで、4月初めからワクチンを広範囲に行き渡らせることが可能となり、人口の70%から85%が接種を受ければ集団免疫を獲得でき、ウイルスの感染拡大を抑え込むことができる。初秋までにはかなり正常に近い状態に戻れるとの見通しを示している。「ワクチン先進国」のアメリカでこのスケジュール感だ。
予定通り東京オリンピック競技が始まると想定すれば7月21日(開会式は23日)がスタートだ。それに先立って、日本で行われる国際大会や強化合宿に参加する国外の選手が5月以降で続々と入国してくるだろう。予定通り開催するには4月中にはコロナ禍をなんとか収めなければ間に合わない。逆算すれば、3月と4月に国内での接種を広範囲に行い、集団免疫を獲得しておく必要があるのではないだろうか。
菅総理は元旦の年頭所感でこう述べている。「コロナ危機は、国際社会の連帯の必要性を想起させました。我が国は、多国間主義を重視しながら、『団結した世界』の実現を目指し、ポストコロナの秩序づくりを主導してまいります。そして、今年の夏、世界の団結の象徴となる東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催いたします。安全・安心な大会を実現すべく、しっかりと準備を進めてまいります」(総理官邸公式ホームページ)
総理の所感とは裏腹にコロナ禍の猛威は世界に迫る。感染力が強いとされる変異種化したウイルスがイギリスや南アフリカ、フランス、イタリアなど17の国・地域で広まり、日本政府は今月末までオリンピック選手を含めて入国制限をする措置をとった(12月31日付・NHKニュースWeb版)。各国の選手団そのものが結成されるのかどうか、どう克服して開催するのか。総理が述べているように、人類の「団結した世界」をぜひ実現をしてほしい。今から出かける初詣ではそう願いたい。
(※写真は、元旦の床の間に飾った「鶴と亀」の掛け軸と、正月飾り)
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