自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆世界は「破滅的なモラル崩壊寸前」なのか

2021年01月19日 | ⇒ニュース走査

   天気予報によると、きょう19日の金沢の最高気温が零度、最低気温がマイナス2度だ。能登の輪島は最高気温がマイナス1度、最低気温がマイナス3度となっている。朝起きて自宅周囲を見渡すと10数㌢積もっている。きのうは雷もとどろいていたので、しばらく厳冬は続くだろう。

       それにしても、世界は「コロナ厳冬」だ。感染者9560万人、うち死者204万人(1月19日付・ジョンズ・ホプキンス大学コロナダッシュボード)。世界ではさまざま議論が沸き起こっている。WHOのテドロス事務局長は、富裕国が新型コロナウイルスのワクチンを独占して最貧国が苦しむならば、世界は「破滅的なモラル崩壊寸前」だと警告した(1月18日付・時事通信Web版)。

   中国外務省の華春瑩報道局長は19日の記者会見で、WHOの独立委員会が中国の新型コロナウイルス感染症への初期対応に遅れがあったと指摘した中間報告に反論した。華氏は武漢市の海鮮市場を昨年1月1日に閉鎖し、新型肺炎の発見からわずか3週間あまりで武漢を封鎖したと強調。早期に世界に警鐘を鳴らしたと主張した。また、新型コロナの起源を巡り政治問題化することに断固反対すると改めて強調。新型コロナ対策のため国際社会が団結し協力する助けにならないためだと理由を述べた(1月19日付・共同通信Web版)。

   上記のテドロス氏と中国の華報道局長の発言には違和感を感じた。中国が初期対応に遅れはなかったと言うのであれば、1月下旬は中国の春節の大移動で世界にコロナ禍をまき散らす結果となったが、なぜ出国禁止としなかったのか。そして、1月23日のWHO会合では、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を時期尚早として見送った。WHOが緊急事態宣言を出したのは1週間遅れの30日だった。

   このころ、中国以外での感染が18ヵ国で確認され、日本をはじめアメリカ、フランスなど各国政府が武漢から自国民をチャーター機で帰国させていた。なのになぜ、WHOは23日に宣言を見送ったのか、中国に配慮して「武漢ウイルス」を国際的に宣言するのをためらったのはないか、との疑念が今もくすぶっている。

   テドロス氏は、コロナワクチンを「富裕国が独占している」として、「破滅的なモラル崩壊寸前」だと警告したが、ならば、その大前提として世界が抱いているテドロス氏への疑念に真摯に答えなければならない。でなければ、「そもそもパンデミックを広めたのは、貴方でしょう」と、議論は前に進まないのではないか。

⇒19日(火)午後・金沢の天気    あめ時々ゆき       

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