家庭菜園が趣味の知人からタマネギをいただいた。丁寧にも皮付きのままビニール紐で2個ずつくくってある。さっそく、ガレージの軒下に吊るした=写真=。タマネギは風通しのよい場所に吊るすことで、乾燥させて保存性を高めることができると言われている。この時節、農村地区で竹ざをにずらりと吊るされたタマネギの様子を見かけるが、ちょっとした風物詩ではないだろうか。
タマネギはサラダをはじめステーキやカレーなどさまざまな料理に使われる「万能野菜」でもある。ただ、このところ気になるのが、タマネギの価格高騰だ。ニュースでもよく取り上げられている。タマネギといえば、北海道産というイメージだが、その北海道では2021年、雨が少なく記録的な猛暑となった影響で不作だった。 出荷量では全国のシェアの60%以上を占める一大産地だけに影響が大きい。
そこで農林水産省の食品価格動向調査(野菜)をチェックすると、最新の調査結果(6月13-15日)でタマネギの全国平均価格が1㌔換算で495円と平年比で203%となっている。この調査は各都道府県で10店舗(全国470店舗)で行い、価格は特売価格を含まず、消費税込みのもの、平年比は最近5ヵ年の平均価格と比べたもの。調査はタマネギのほかキャベツ、ニンジン、バレイショなど8品目。この中でタマネギの平年比203%はダントツだ。去年12月に150%、ことし5月にはピークの230%に達し、それ以降でようやく下げに転じている。が、ことし4月以降の低温や多雨で全国の生産地で出荷量が減少していると、この調査では分析している。
きょう近所のスーパー2軒の野菜売り場をのぞいてみた。棚には北海道産はなかった。兵庫産が1個150円、愛知産は1個130円ほど(税込み)。売り場もいつものタマネギのコーナーより狭く感じた。
ロシアによるウクライナへの侵攻や円安などの影響で、ガソリンや小麦などの価格が上昇する中、比較的安定しているのは野菜類だ。しかし、前述のような気候変動によって、野菜類も大きく揺らいでくる可能性もある。その事例がタマネギなのだろう。そしてこれは、タマネギからの警告ではないだろうか。
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