今季で最強で最長の寒波が流れ込んで、気象庁はきのう夜、石川県に「顕著な大雪に関する情報」を出した。きょう夕方までの積雪は能登の七尾市で42㌢、奥能登の珠洲市で40㌢、金沢市で32㌢となっている。きのう能登半島の尖端、珠洲市をめぐった。気象庁と国土交通省は会見(3日)で、被災地では雪の重みによる建物の倒壊に注意が必要と呼びかけていたが、現地ではさらに難題もあるようだ。
高波に向かってゴジラが吠える、ような光景
珠洲市の海岸沿いの名勝「見附島」の近くある仮設住宅は入り口に布シートが張られていた=写真・上=。この仮設住宅を監修したのはあの世界的な建築設計士として知られる坂茂氏だ。布シートはおそらく出入り口が北向きであることから、冬場の強風を少しでも和らげるために張られたのではないかと憶測している。
仮設住宅から少し離れた場所に地震で全半壊となった住宅の公費解体が行われている。ただ、訪れたきのうは平日の午後2時半ごろだったが作業はストップしていた=写真・中=。同市では、作業中の事故を防ぐために雪の降る1月からの2月の間、雪に慣れていない地域から来ている県外の解体業者に対し、積雪時における作業の休止を県構造物解体協会を通じて要請している。11月27日に解体現場で重機に接触した作業員が死亡する事故が起きたことなどから、作業現場の労働災害を防ぐ対策を進めている。作業の安全を最優先の課題としているようだ。しかし、40㌢もの積雪があると作業の再開は見通せないかもしれない。
その後、珠洲市の外浦方面に車を走らせた。視界全体が真っ白になって空間と地面との見分けがつかない、まさにホワイトアウトの現象が時々起きた。その都度、車をストップさせた。安全な場所を選んで停車するのだが、後ろや前から来た車に追突される危険性も抱えての停車だ。午後3時半ごろには、降り方が落ち着いてきた。
海岸を見ると、「ゴジラ岩」が見えた。同市馬緤町の沿岸にある奇形の岩だ。西の空に向かって今にも炎を吹き出しそうな姿は怪獣ゴジラに似ており、その名が付けられた。冬の高波に向かって、ゴジラが吠えているようにも見え、なかなかの絶景だった。このゴジラ岩は夏ごろになると沿岸から夕陽も見え、観光名所にもなっている。
この近くで自身に問題が起きた。車の前輪が雪道のみぞにはまりスタック(立ち往生)となった。そこで、通りかかった車に手を振って止まってもらい、手助けをお願いした。計2台から4人の男性が降りてきて車を押してくれて、なんとかみぞから脱出することができた。お礼を述べると、「雪道ではお互い様ですよ」と2台はさりげなく去って行った。雪国の共助の心には感謝しかなかった。
⇒8日(土)夜・金沢の天気 くもり
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