自在コラム

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★北朝鮮はICBMの核搭載を急ぐのか

2022年05月04日 | ⇒ニュース走査

    北朝鮮がまた日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。ミサイルの発射はことしに入って13回目だ。防衛省公式サイト「報道資料」(4日付)によると、「北朝鮮は、本日12時2分頃、北朝鮮西岸付近から、1発の弾道ミサイルを、東方向に向けて発射しました。詳細については現在分析中ですが、最高高度約800km程度で、距離は約500km程度飛翔し、落下したのは、北朝鮮東岸の日本海であり、我が国の排他的経済水域(EEZ)外と推定されます」。

    また、防衛大臣のコメントも添えている。「これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、一連の北朝鮮の行動は、我が国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものです。また、ウクライナへの侵略が発生している中で、ミサイルを発射したことは許されない旨、大臣からコメントがありました。さらに、このような弾道ミサイル発射は、関連する安保理決議に違反するものであり、強く非難します」

   注視するのは、発射された場所だ。防衛省公式サイトのイメージ図にあるように、発射は首都平壌の郊外の国際空港で行われたのだろう。ここからは、3月24日に「モンスター・ミサイル」と報じられた全長23㍍にも及ぶ大陸間弾道ミサイル「火星17型」(ICBM)が発射されている。このときは、71分飛翔し、北海道の渡島半島の西方約150㌔の日本海(EEZ内)に落下した。飛翔距離は約1100㌔、最高高度は6000㌔を超えると推定されている。射程距離は首都ワシントンほかアメリカ全土がほぼ入るとされた。

    今回は最高高度は800㌔とされるので火星17型に比べれば、規模が小さいのかもしれない。ただ、4月25日に「朝鮮人民革命軍」創設90年にあわせて軍事パレードを開催した金正恩総書記は「核戦力を最速ペースで強化・開発するため、措置を取り続ける」と表明し、核戦力について、いつでも行使できるよう「準備が欠かせない」と述べている(4月26日付・BBCニュースWeb版日本語)。アメリカ全土を射程距離に入れるICBMの発射実験には成功したので、次は核弾道の搭載に向けて準備を進めているのではないかと懸念する。

   北朝鮮だけではない。ロシア太平洋艦隊の潜水艦2隻が4月14日、日本海で巡航ミサイルの発射演習をした。ミサイルは敵の船を模した海上の標的に命中したとしている(4月14日付・共同通信ニュースWeb版)。また、同じ4月20日には、10以上の核弾頭の搭載が可能な新型の大陸間弾道ミサイル「サルマト」をカムチャッカ半島の標的地に落としている。CNNニュースWeb版日本語(4月21日付)によると、「サルマト」についてはプーチン大統領が2018年の演説で新型兵器として言及し、これでNATOの防衛は「完全に使い物にならなくなる」と誇示していた。日本海周辺にさらなる緊張感が漂う。

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