自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★警報級の大雨は去れど 震災で「渡れぬ橋」の話

2024年06月24日 | ⇒ドキュメント回廊

  梅雨入りした石川県内ではきのう(23日)洪水警報や大雨警報が出されるなど大雨に見舞われた。金沢地方気象台によると、能登の一部では午後に1時間に49㍉の激しい雨が降り、6月の観測史上最大を記録。この大雨の影響でJR七尾線は特急、普通列車の上下線あわせて28本で終日運転を取り止めた。夕方、金沢の中心部を流れる犀川が気になって河川の様子を見に行った。金沢出身の詩人で小説家の室生犀星が「美しき川は流れたり」と讃えた犀川だが、けっこう暴れる川でもある。いつも通る橋から見ると、川かさはかなりだったが、なんとか治まりそうだったので安心した=写真・上=。

  川と言えば橋。能登半島地震で通れなくなっている橋がいくつかある。その一つが金沢市と隣接する内灘町、津幡町を結ぶ「才田大橋」(365㍍)。橋梁の取り付け部分が液状化により1.5㍍ほど地盤が沈下した=写真・中=。この周辺は河北潟干拓地で、大小あわせて9本の橋梁があり、その中でも一番長い橋だ。

  干拓地では麦や大豆などの穀物やスイカ、レンコンなどの野菜、ナシやブドウといった果樹が栽培され、酪農も行われている。農繁期で忙しいこの時期に運搬などのインフラとして橋が使えないというのは農業者にとっては遠回りを強いられ痛手ではないだろうか。大橋の周辺では路面の沈下で大きな水たまりもできていた。

  海を渡る橋もストップしている。能登半島の中ほどに位置する七尾市の能登島と陸地側をつなぐ橋梁「ツインブリッジのと」(中能登農道橋、620㍍)。地震で橋桁が損傷し、さらに道路との間に40㌢ほどの段差ができ、通行できなくなっている=写真・下=。能登島との往来は南側にもう一本、能登島大橋(1050㍍)があるものの、一部の住民にとっては遠回りを強いられている。能登島には「のとじま水族館」があり、アクセスの上からもツインブリッジの復旧が待たれる。

⇒24日(月)夜・金沢の天気     くもり


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