自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★「ニューヨーク」の復旧が未来志向の能登復興につながるか

2024年06月29日 | ⇒ドキュメント回廊

  能登半島の尖端をめぐる国道は「249号」、地元では数字をもじって「ニューヨーク」と呼ぶ人もいる。それほど地域に密着し、生活に欠かせない道路なのだ。そして観光ルートでもある。輪島市の白米千枚田を縦貫し、名所の窓岩がある曽々木海岸を通り、珠洲市の揚げ浜式塩田へとつながる。それが、元日の地震でニューヨークがズタズタになった。千枚田などがある北部海岸は「外浦」と称され、リアス式海岸で海と山々を通る249号は奥能登の大動脈でもあるが、土砂崩れなどで5ヵ所が寸断となった。

  そのうちの1ヵ所は千枚田の近くあった。山が崩れ、海岸にまで土砂が落ちた。国土交通省が陣頭指揮を執って、地震で隆起した海岸沿いに迂回路(幅5㍍の1車線、長さ430㍍)を新設し、先月5月2日に通行が可能になった。もう1ヵ所、珠洲市街と外浦を結ぶ249号の大谷トンネルが崩れたため、県道などを迂回路として確保した。

  249号の寸断箇所は残り3ヵ所。そのうちの一つ、勇壮な太鼓で知られる御陣乗太鼓の発祥の地の輪島市名舟町から曽々木海岸に行く途中の道の崩壊がすさまじい。ネット上で掲載されている国交省の「能登半島地震 国道249号 道路啓開5工区の状況」によると、道路そのものが大規模に崩落している=写真=。地元メディア各社の報道によると、国交省はこの現場で年内に1車線を確保するとしている。

  ほかの2ヵ所について、輪島市中心部から同市門前町をつなぐ中屋トンネルの崩落では、ことし9月末までに1車線を、年内に2車線を確保する。また、珠洲市の逢坂トンネル付近の土砂崩れについては年内に1車線を確保する。 

  報道によると、政府は28日、能登半島地震の復旧・復興に向け、2024年度予算の予備費から1396億円を支出することを閣議決定した。道路などのインフラ復旧に充てる。予備費からの支出は5回目で総額で5500億円に上る。また、来月7月1日には各省庁による「能登創造的復興タスクフォース」が発足する。150人規模のスタッフが省庁横断で能登復興に取り組む。未来志向のさまざまなアイデアの実現に期待したい。

⇒29日(土)夜・金沢の天気    くもり  


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