放送法施行規則第125、157条では、放送中断が15分以上となった場合には重大な事故として電波監理を管轄する総務省に報告の義務がある。今回の石川テレビと北陸放送の通信障害は10日午後7時ごろから、げさ午前10時ごろまでの応急復旧まで実に15時間におよんだ。
きょうの地元各紙は今回の雷による放送中断を一面で大きく伝えている。2局が共用している送信鉄塔(160㍍)の高さ130㍍から140㍍の場所で内部のケーブルとアンテナ一部が焦げていた。鉄塔には2系統の配信設備(ケーブル)があり、1系統に問題が生じても、もう1系統を使って放送ができる仕組みになっているが、今回は落雷によって両方とも使用が不能になっていた。きょう午前中、石川テレビは緊急用の仮設アンテナを設置して応急復旧した。しかし、復旧したとは言え、確認のためテレビをつけてみると、画質がザラメ状態で見れたものではなかった=写真・上=。すぐにチャンネルを変えた。
石川テレビの公式ツイッターでは「【視聴者の皆様へ】この度は、長時間にわたり放送が中断する事態となり、深くお詫び申し上げます。本日の午前10時30分ごろ、仮設アンテナの設置が完了し、地上波放送を再開しましたが、出力の関係で受信環境によっては依然視聴できないことも想定され、完全復旧をめざして全力を挙げております。」と釈明している。
確かに地元各紙などでは大きく扱われた=写真・下=。問題は視聴者の反応だ。私の仲間内で今回の放送中断のことを話しても、関心度が低い。「そう言えば映ってなかったね」程度なのだ。「あの番組が見れなくて残念」とか「テレビの公共性を考えて、もっとしっかり対応を」などといった声は聞かれなかった。2局同時に放送が15時間も中断したにもかかわらず、である。テレビ局の存在感は一体どこにいってしまったのだろうか。むしろ、放送中断で別の問題が見えてきたようだ。
それよりも周囲の関心事は今回の大雪だ。上空に強い寒気が来ていて、13日までは降り続くと予報が出ている。一方で、両局は総務省への報告に追われるだろう。また、CMスポンサーに対しどのように弁償するかといった対応もあるはずだ。シンシンと雪は積もっている。焼け焦げたケーブルの復旧作業はこの雪の中、進むのだろうか。他人事ながら、あれやこれやと考えてしまう。
⇒11日(木)夜・金沢の天気 ゆき
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