12月に入った。先日、造園業を営んでいる人との立ち話で、「モズのはやにえ」のことが出た。鳥のモズはこの時季、捕らえたカエルなどの獲物を木の枝に突き刺す習性があり、突き刺した場所が低いと暖冬、高いと大雪になるとの風説がある。業者の人は「ことしは高めですね。例年は1.5㍍から2㍍ほどですが、ことしは3㍍のものもある。きっと大雪ですよ」と。話を聴いていた別の知人は「それは大変、ことしも雪囲いをしっかりよろしくお願いします」と真剣に受け止めていた。ただ、業者は「あくまでも話のネタですよ。当たる年もあれば当たらない年もある」と笑っていた。
話は変わる。先月30日付のブログで、プラスチックによる環境汚染を防ぐための国際条約を2024年中にとりまとめる政府間交渉委員会(先月25日-今月1日)が韓国で開かれ、条文案の合意を目指している、と述べた。きょう公表された外務省公式サイトの「プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた第5回政府間交渉委員会の結果概要」によると、焦点となっているプラスチックの生産量の世界的な削減目標を設けるかどうかなどについて各国の意見の隔たりが埋まらず、合意は見送られた。
プラスチックの消費や廃棄物の量を減らすと同時に生産についてもできるだけ抑制していく必要があると主張した国々がある一方、プラスチックの原料になっている化石燃料の輸出に経済を依存している国々は、気候変動対策に加えて化石燃料の生産や輸出を制限される国際条約には反対した。対立点が改めて浮き上がった。
国連環境総会(2022年3月)で法的拘束力のある国際条約を2024年中にとりまとめることを決議していたが、見送られることになった。プラスチックごみの量は2019年には世界で3億5300万㌧と20年で2倍以上に増えるなど深刻になっている。今回の政府間交渉委員会で日本は「プラスチックのライフサイクル全体での取組の促進」「プラスチック製品及びプラスチック製品に使われる化学物質に関する共通基準の明確化」「各国におけるプラスチック資源循環の促進」「環境に配慮した製品設計、リデュース・リユース・リサイクルの促進」などを提案し、積極的に条約交渉に関与していた(外務省「結果概要」より)。
今後、改めて会合が開かれ、今回の交渉内容をもとに条文案をまとめるための協議が再開されるという。
(※写真は、2017年「奥能登国際芸術祭」の作品、深澤孝史氏作『神話の続き』。「現代の寄り神はゴミの漂着物」と訴え、海岸ゴミのポリ容器やペットボトル、漁具ゴミを白くペイントして鳥居に似せたオブジェ)
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