自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆ある歯科医院の話

2021年02月22日 | ⇒ドキュメント回廊

    半年ぶりにかかりつけの歯医者に行った。職場の金沢大学近くにある歯科医院「オードリー歯科(Audrey Dental Office)」。2009年4月、キャンディを噛んでいて右下あごの奥歯に被せてあった金属がポロリと取れ、駆け込んだのが「初診」だった。以前から気になっていたのが、「Audrey」という名称だった。院長はオードリー・ヘップバーンの大ファンで、それにちなんで名付けたのだろうと思っていた。

   通い始めて受付の女性職員に尋ねた。「オードリーという名は、院長先生がオードリー・ヘップバーンのファンなのですか」と。すると女性は「その質問はたまにあるのですが、大通りに面しているのでオードリーと名付けたようですよ」と。確かに、歯科医院は国道159号とつながる大通りに面している。そこから「Audrey」を発想するというのは、だじゃれというより、粋(いき)ではないかと感じ入ったものだ。

   それ以来、年に1回、最近では年に2回ほど、歯周病や虫歯の検診と歯石取りに出かけている。きょうも院長は「半年に1度くらいがちょうどいいですね。歯周病の予防に効果的だと思います。逆に期間が空きすぎると歯石の量も増えて固くなるので取る方も取られる方も大変ですよ」と言いながら、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning=プロによる歯のクリーニング)に取り掛かった。歯の表面についた歯垢や歯石、色素沈着などを専用の超音波器具(スケーラー)で取り除き、歯面を研磨した後、歯質強化に効果のあるフッ素を塗布する。全行程で20分足らずだった。

   いつも受付にいる女性職員が見当たらない。院長は「昨年の9月に辞めたんです。それ以来、ずっと一人で切り盛りしているんですよ」と。セッティングから片付けまで、事務処理と診療を一人で。「コロナのこともあり、なるべく人がいない方がいいですね。コロナが治まったら募集しようと思っているんですよ」と。通い始めた12年前は歯科衛生士や歯科助手もいた。金沢でも「歯科医院はコンビニより多い」と言われるくらいで、過当競争になっているのかも知れない。

   自身が小さいころ通った歯科医院も確か先生が1人だった。受診する側とすれば、丁寧に診療してくれればそれで充分なのだ。80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという「8020(ハチマルニイマル)運動」を歯科医師会などが進めている。地域住民に寄り添い、高齢者のQOLに地道に尽力していただくことを期待している。

⇒22日(月)夜・金沢の天気   くもり


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