土用の丑の日に限らず、「鰻と言えば、このお店!」と、ずいぶん贔屓にしている鰻屋があるのですが、そこで蒲焼きを買いました。報道されているとおり、確かに値上げされておりましたが、それでもしっかりした鰻だろうと思い、いつものを注文し、蒲焼きを持ち帰ります。
おばちゃんから蒲焼きが詰まった「お箱」を、お店の手提げ袋に入れてもらい、それをちょっと自慢げに持ちながら電車で帰宅します。焼きたての蒲焼きが詰まった袋からは、あの、鰻の、香ばしい薫りが漂うのですが・・・?・・・あれ?・・・どうも様子が変です。いつもは、車内に居合わせた人には気の毒なくらい香り立つのですが、今日はちっとも蒲焼きの「ニオイ」がしません。それどころか、焼きたてを入れてくれるので、いつもは「お箱」が余熱で熱いくらいなのに、今日の鰻はちっとも熱くありません。
おばちゃん、間違えたのかなと不安になりましたが、電車の中で「お箱」を開けることもできず、家路を急ぎます。
帰宅して一目散に「お箱」を開けてみましたが、おばちゃんは間違っていませんでした。そして、全てのことが理解できました。いつもなら、箱いっぱいに、箱からはみ出るぐらい鰻で満たされているのに、今日のは何と、箱の片隅に、申し訳なさそうに、ポツンと、寂しそうに、いつもの半分程度の鰻が横たわっているだけ、「お箱」の半分は「空き地」でした・・・残念ですが、これでは香りも熱気も立ちようがありません・・・しかし、これでもお店は精一杯の鰻を提供してくれたことでしょう。お店も気の毒な感じがします。
今年は鰻が高騰しているようですし、鰻を取り巻く情勢は相当に深刻だと実感しました。近い将来、鰻は手の届かない超高級品になってしまうのかもしれません。
最後になりましたが、蒲焼きの味はしっかりしていましたし、次も鰻を食べるなら、当然このお店に行きます。
なんだか、つかみ所のない話題になってしまい、申し訳ございません。