魚のアトリエ”うおとりえ”

新鮮な魚を美味しく食べたい!!
 「魚っ食いの365日

台所仕事は偉大な事業-4

2010年10月29日 | 主夫の台所考
 
台所仕事を毎日続けていくには、自分なりのスタイルを作り出し、その中に楽しみを見出すことかと思う。その一つに保存食がある。

 保存食・常備菜を作る
 手元の食材の一つに、いつも常備菜の何種類かを作りおきしておくことにしている。いまは、かつおの角煮、酒の粕漬け、芝えびの
しんじょう、うるめイワシの丸干しを作りおきしてある。魚っ食いだから、市場に買出しに行ったとき、新鮮な魚が、ほど良い値段で
買えるとき、少し多めに買いこんで作る。

 大抵の魚は干して旨味を増すから、いろいろな魚で干物にしてみる。切り身になるような魚は、酒粕に漬けておくと別の味わいに生
まれ変る。甘辛く煮詰めればやはり保存食になる。賞味期限は、1~3週間を目安にしている。冷凍しても味の変らないものは、冷凍
にする。

 こうした保存食を作る日は忙しくなるが、普段の日の食事作りがぐんと楽になる。食卓の品数も増えて、栄養バランスが自然と良く
なる。繰り返し作ることにより上手に作れるようになる。上達は何事でも楽しみである。喜んで食べてもらうのも楽しみである。


 添加物をさけて通る
 添加物の使われていない加工食品は皆無に近いと思われる。旨味・調味のため、防腐・保存料として、参加防止のため、着色・発色
料として、はたまた増粘・増量剤として化学合成剤などが使われている。全てを否定するわけではないが、出来れば避けて通りたい。
避けて通ることが、わが身の食の安全を守ることになると思えば、極力自分の手で作るしかない。それは、食事作りの大きな目標にな
り得る。出来るだけ、魚・肉・野菜・穀物等の素材から調理することにしているのは、そのためである。そして、レパートリーが一つ
ひとつ増えてゆくことは、向上の楽しみである。


 目分量・手加減・塩梅で作る
 新しいレパートリーを増やすには、料理本や料理番組からレシピを借りて作るが、調味料に関しては目分量で手加減して、塩梅を
見ながら作ることにしている。いちいち確認しながら計量するのが面倒なこともあるが、目分量で作って失敗した方が、早く身につ
く気がする。この方が、自分で料理をした気分になれる。料理本とにらめっこしながら作ると、どうも自分で作った気がしない。

 道を車で走るとき、カーナビ頼りに走っているとなかなか道を覚えなくなるのと似ている。始めは仕方がないが、自分の目で走ると
運転が楽しくなる。毎日のことだから目分量でつくることにしている。
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台所仕事は偉大な事業ー3

2010年10月29日 | 主夫の台所考
 調理の基本設計に続いて、調理の方程式について考えてみたい。
建築でたとえれば、設計から施工に当たるのが調理と言える。PLANからDOへ。
項目列挙して全容考察を試みる。

 【調理の方程式&規定】
  ・調理の基本方程式吟味(素材+調味・香辛料)×適度(熱量×時間)×手間ひま
                     知識+技能+センス

  ・料理の様式=和風:洋風:中華風:etc

  ・献立レパートリー=主食材(魚・肉・野菜・穀類)×調理法選択(生・意・焼・・)+副食材(調理加工食品)

  ・調理法選択=生・煮る・焼く・揚げる・炒める・蒸す・・・

  ・調理操作=切断・解体・粉砕・混合・攪拌・成形・圧搾・ろ過/器具操作

  ・献立展開度=新鮮・陳腐・斬新・新規・連続

  ・その他の労作=盛り付け・配膳・洗浄・清掃・器具操作・保全・管理

  *台所仕事とは=調理の方程式・規定の統合、調整、連続・・・の継続


 【評価の規定など】 
 
  ・調理の評価=安心・安全+嗜好満足度+栄養バランス+カロリー充足度+演出・演技  
 
  ・食感評価=温感(温・冷・常)
         触感(硬・軟・粘・粗)
         味覚(甘・酸・塩・苦・辛・渋・旨味)
         視覚(色彩・盛付け・外観・食器)
         嗅覚(香・臭)

  ・コストパフォーマンス=調理評価+触感評価
                 規定予算

  ・家庭調理の利潤=家族の健康+食事の満足感

  ・主夫への配当=家族の笑顔+感謝の心

  ・役割分担=台所の主導権=主夫vs.主婦


 このように概観してみると、台所仕事とは何と偉大なことか。緻密・繊細にして且つ大胆。そして芸術性・創造性に富んだ
この台所仕事を、一食・一食ごとに組み立て解消してゆく継続的作業の偉大さ。生命維持の根源であるにも関わらず、食材・
調理に対する関心・程度の低さ。家庭内調理能力の低下がもたらす諸問題に対する無策は、いずれ食糧自給率に関わることに
なるのは必定と考える。(続く)




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