台所仕事を毎日続けていくには、自分なりのスタイルを作り出し、その中に楽しみを見出すことかと思う。その一つに保存食がある。
保存食・常備菜を作る
手元の食材の一つに、いつも常備菜の何種類かを作りおきしておくことにしている。いまは、かつおの角煮、酒の粕漬け、芝えびの
しんじょう、うるめイワシの丸干しを作りおきしてある。魚っ食いだから、市場に買出しに行ったとき、新鮮な魚が、ほど良い値段で
買えるとき、少し多めに買いこんで作る。
大抵の魚は干して旨味を増すから、いろいろな魚で干物にしてみる。切り身になるような魚は、酒粕に漬けておくと別の味わいに生
まれ変る。甘辛く煮詰めればやはり保存食になる。賞味期限は、1~3週間を目安にしている。冷凍しても味の変らないものは、冷凍
にする。
こうした保存食を作る日は忙しくなるが、普段の日の食事作りがぐんと楽になる。食卓の品数も増えて、栄養バランスが自然と良く
なる。繰り返し作ることにより上手に作れるようになる。上達は何事でも楽しみである。喜んで食べてもらうのも楽しみである。
添加物をさけて通る
添加物の使われていない加工食品は皆無に近いと思われる。旨味・調味のため、防腐・保存料として、参加防止のため、着色・発色
料として、はたまた増粘・増量剤として化学合成剤などが使われている。全てを否定するわけではないが、出来れば避けて通りたい。
避けて通ることが、わが身の食の安全を守ることになると思えば、極力自分の手で作るしかない。それは、食事作りの大きな目標にな
り得る。出来るだけ、魚・肉・野菜・穀物等の素材から調理することにしているのは、そのためである。そして、レパートリーが一つ
ひとつ増えてゆくことは、向上の楽しみである。
目分量・手加減・塩梅で作る
新しいレパートリーを増やすには、料理本や料理番組からレシピを借りて作るが、調味料に関しては目分量で手加減して、塩梅を
見ながら作ることにしている。いちいち確認しながら計量するのが面倒なこともあるが、目分量で作って失敗した方が、早く身につ
く気がする。この方が、自分で料理をした気分になれる。料理本とにらめっこしながら作ると、どうも自分で作った気がしない。
道を車で走るとき、カーナビ頼りに走っているとなかなか道を覚えなくなるのと似ている。始めは仕方がないが、自分の目で走ると
運転が楽しくなる。毎日のことだから目分量でつくることにしている。