【Sh2-103】
赤経:20h50m32s 赤緯:+30゚55' 25"
星座:はくちょう座
視直径:210'
他カタログNo.:NGC6992,NGC6995,NGC6974,NGC6979,NGC6960 ※いずれも一部
ニックネーム:網状星雲(Veil nebula),巻雲星雲(Cirrus nebula),シグナス・ループ(Cygnus loop),
コウモリ星雲(Bat nebula:NGC6995) ※東側の一部,
ピッカリングの三角形(Pickering's Triangle) ※北西側の一部,
魔女のほうき星雲(Witch's Broom nebula:NGC6960) ※西側の一部,
南中日時(@東京):6月16日03時,8月1日00時,9月15日21時 ※あくまで目安です。
撮影日時:2023/07/17 21:27
撮影地:静岡県東伊豆町
撮影機材:キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,F3.8,アイダスNBZフィルター使用,
タカハシEM-200Temma2M赤道儀,ペンシルボーグ+QHY5LⅡM+StellaShot2により恒星ガイド
撮影条件:ISO3200,露出8分×16コマ
画像処理:Digital Photo Professionalにて現像,ステライメージVer.8,PhotoshopCS3にて処理
若干トリミングあり
メモ:はくちょう座の東側の翼付近にある有名な超新星残骸です。データ上の視直径は満月の7倍も
あり、球殻状に大きく広がっています。フィラメント状の構造を持っているのが特徴で「網状
星雲」の名称でよく知られています。日本では天頂近くまで昇り詰めるため観測がしやすく、
高標高地で空気の澄んだ空の下では口径5cmの双眼鏡でも存在確認できます。また、好条件下
で口径40~50cm級の大きめの望遠鏡+OⅢフィルター(電離酸素が特異的に発する光を選択的
に透過するフィルター)を使って眼視観望すると、ニックネームどおりの網状構造がしっかりと
確認でき、神秘的な姿を楽しむことができます。写真写りも良好で、存在だけなら広角レンズ
でも捉えることが可能です。電離水素が発するHα光と電離酸素が発するOⅢ光の両方を透過
するデュアルバンドパスフィルターを用いると、上の写真のように非常に高いコントラストで
鮮やかな色合いを示し、中心部や南側の淡い部分まで描出することができます。なお、全体像
を撮影するなら35mm判フルサイズ換算で200~300mm程度の望遠レンズが最適であり、特徴的
な形態から名付けられている各エリアをクローズアップで狙う場合は、800mm以上の焦点距離
の望遠鏡が望ましいです。
星図:
AstroArts社ステラナビゲータにて作成