Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
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レモン彗星(C/2023 H2)を撮ってみたら・・・

2023-09-27 00:38:56 | ほうき星

1か月半後に期待できそうなほうき星として挙げたレモン彗星を26日の明け方に撮影。得られた画像がコレです。


【レモン彗星(C/2023 H2)9/25】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,STARRY NIGHTフィルター,
 総露出時間4.5分(1.5分×3コマ,加算メトカーフコンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,解像度変更・トリミングあり,長野県南牧村にて

薄明開始が迫る中で彗星の見える方向に発生した雲がなかなかどいてくれず、コマ数が稼げませんでしたが、
とりあえず青緑色の淡い姿(画像中央)を捉えることに成功(人工衛星の光跡が彗星像に重ならなくて助かった)。
この日の彗星はおおぐま座の後ろ足の辺りに位置し、NGC3938銀河(上の写真で右下端に写っている渦巻銀河)の
すぐ傍に来てました。NGC3938の光度はWikipediaによると10.9等なんですけど、レモン彗星はそれよりも明らかに
暗く写っており、個人的に画像処理で使っているAstroArts社ステライメージ8の光度計測ツールを使って
画像処理前の原板画像から彗星の光度を見積もってみたら約13等と出てきました。あれ?急増光したって噂が
あったのに、あまり明るくないぞー。これはどういうことなんでしょうかねぇ・・・

そこで、アマチュアを含む世界中の観測者から集まる彗星の観測データを公開しているCOBSっていうサイトを
チェックしてみたら、レモン彗星の観測報告は意外と少ない上に観測光度がばらついていることに気付きました。
詳しく見ると眼視観測と写真(主にCCD)観測で光度報告値が乖離していて、中には眼視で8.9等っていう報告もあり、
どうやら一部の眼視観測者が明るく見積もっているような印象を持ちました。まさかカメラでは写り難くいのに
実視では見えやすいとか? 確かにヒトの目(暗所視)で感じやすいのは緑色の光(波長500nm台前半)とされていて、
彗星は正にその波長帯域に近い青緑色で発光しているので、さもありなんって感じがしないでもないですが、
カメラの撮像素子がその波長帯域に対して感度が低いとも思えず、4等級もの光度差(写真で約13等,眼視で約9等)が
生じるとは考え難いですねぇ。

最終的に肉眼で見えるようになるかどうかはアヤしい状況になり、もう少し様子を見ないといけない感じです。
次の新月期にあたる10月半ばには薄明開始時の地平高度も上がってきて観測条件が良好になるので、
その頃にまた狙ってみたいと思います。



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2 コメント

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高度な撮影ですね (八海)
2023-09-27 08:58:05
おはようございます。
難しい撮影をうまくされてますね、私は
月すら今く撮れません・・(笑)
又、寄らしてください、ありがとうございました。
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Unknown (fornax8)
2023-09-27 09:57:29
八海さん、毎度ご訪問ありがとうございます。

とんだお目汚し画像を貼った小難しい内容の記事にコメントをいただき恐縮です。
難しそうに見えて実は淡い散光星雲等と比べれば撮影も画像処理も容易でした。
かなり明るくなってるとの噂が気になり撮ってみたら、あまりにもショボイ姿でガッカリしました。
もう少しマシな見映えの彗星も撮ってたりしますので、順次紹介していきますね。
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