先週末に新潟県南部某所にてこんな写真を撮ったのでした。
【交差する黄道光と天の川】
キヤノンEOS Ra + シグマ20mm F1.4DG HSM Art,F2.8,ISO6400,
総露出時間4分(15秒×16コマ,Sequatorにて処理),三脚使用(固定撮影)
2つの光の帯が写ってますが、左側の方は黄道光ってヤツで、右側の方は天の川です。
天の川は銀河系の星々が渦を巻く円盤状になった姿を真横から見ているイメージに相当しますが、
この時期の明け方に見えるのは、銀河系中心方向とは反対の外縁に広がる低密度部分にあたるので、
かなり淡い光芒になります。
一方、黄道光は太陽系内に漂う小さなダストたちが太陽の光を散乱することで見えるものです。
地球から見た太陽の通り道(=黄道)に沿って見えることが黄道光と呼ばれる所以です。
これも非常に淡いので、市街光の少ない場所でないと観測/撮影が困難な光になります。
なお、ダストは主に小惑星同士の衝突で発生したり、彗星が撒き散らしたものと考えられていますが、
最近の研究によると火星が起源になっているとの説も出てきてます。
で、天文シミュレーションソフトで黄道と天の川の中心線を図示すると、
撮影時にはこんな風に交差していたのでした。
AstroArts社ステラナビゲータにて作成(オレンジ色の線が黄道、緑色の線が天の川の中心線)
太陽系の惑星の軌道面は銀河系の渦巻きの回転面に対してかなり傾いていることになります。
で、今の時期ですと両者が交差する姿は、写真のとおりギリシャ文字のΛ(ラムダ)に似てる感じ。
漢字だと「入」っぽいでしょうか。
ちなみに、1か月前だと交差ポイントが少し低くてX字状、2か月前ならV字状に写ったはずです。
いずれそれらのシーンも撮ってみたいですねぇ。
これはとっても淡くて、さすがに自宅からは撮影できないんで、遠出して撮りました😃
それでも低空は市街光の影響が避けられず、濁った写りになってしまいました(T_T)
いつの日か、周りが海の離島とかで狙ってみたいなぁ・・・
日本では絶滅危惧種とも言うべき光かもしれません。
さらに激レアな光として「対日照」っていうのがありますが、
余程の好条件に恵まれないと写真で捉えるのも難しいようです。