Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
1/4未明~明け方 しぶんぎ座流星群が極大

3年前に見えたスゴイ奴

2010-01-08 12:00:00 | タイムマシンにお願い

また彗星ネタです。

近年の大彗星といえば、3年前の正月に見えたマックノート彗星を思い出します。

その彗星が発見されたのは2006年の8月上旬。

オーストラリアの某天文台でロバート・マックノート博士が見つけました。

発見時の明るさは約17等級とアマチュアの望遠鏡では観望すらできないほど暗い

彗星でしたが、計算された軌道は驚くべきものでした。太陽の最も近くを周回する

惑星=水星よりも太陽に近いところを5ヵ月後に通過することがわかったのです。

彗星の実体は「汚れた雪玉」と言われてますが、あまり大きくない雪玉の場合、

太陽に近づき過ぎると高熱により溶け切って消滅してしまうことがあり、

マックノート彗星もそのような運命を辿るおそれがありました。

逆にもし生き延びることができたら、大彗星に成長する可能性も秘めており、

その後の行く末がどうなるのか、世界中の天文ファンの注目が集まりました。

2006年の暮れ、金星軌道の内側に入ったマックノート彗星は肉眼でも見える明るさになり、

2007年の年明け早々には1等級を記録。1月第2週にはなんとマイナス等級にまで到達し、

夕焼け空の中に輝く姿が印象的でした(↓)

【夕焼け空の中に輝くマックノート彗星】
 ニコンD70 + 80-200mmズームレンズ(200mmに設定) ISO400 F4
 総露出時間25秒(5秒×5コマ加算合成) トリミングあり
 [静岡県伊豆市にて2007年1月9日撮影]

翌週にはさらに明るくなり、ついに地球から最も明るく見える惑星=金星の最大光度を

凌ぐマイナス5等以上で輝き、昼間の青空の中に双眼鏡で見えるほどになりました(↓)

【白昼に見えたマックノート彗星】
 ニコンD80 + 口径10cm屈折望遠鏡 ISO400 F4
 総露出時間1/25秒(1/250秒×10コマ加算合成) トリミングあり
 [静岡県伊豆市にて2007年1月13日撮影]

その後、この彗星は南の空に去って行ったため、北半球からは見えなくなりましたが、

好条件で観測できたオーストラリアや南米では幅広で長ーい尾を棚引かせた物凄い姿が

連日のように写真撮影されてネット上を賑わせました。その時の画像は海外のサイトに

残っていて、今でも閲覧することができます(↓)

http://spaceweather.com/comets/gallery_mcnaught_page14.php

正確に求められた軌道によると、この彗星は太陽系外の宇宙空間から飛来してきて、

再び遠い恒星間空間に飛び去り、太陽の近くにはもう二度と戻って来ない類のもの

であることが分かりました。これぞまさに一期一会というような彗星だった訳です。

そして今年、同じ「マックノート」の名を冠した別な彗星が6月にやってきます。

その彗星は今のところ肉眼でなんとか見える程度に明るくなると推測されていますが、

予想以上に大化けしてくれないものかと、fornax8は密かに願っています。



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