Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 12/5 細い月と金星が接近

五島プラネタリウム リーフレット No.237(1976年12月)

2023-05-19 11:32:05 | タイムマシンにお願い

シリーズで紹介している五島プラネタリウムのリーフレットの第2弾は1976年12月配布のものです。

表紙(1ページ目)の写真は米・カリフォルニア州にあるウィルソン山天文台に設置されているフッカー望遠鏡の
巨大な姿を撮ったものでした。口径は100インチ(254cm)で、完成したのは1917年とのこと。
1948年にパロマー山天文台に口径200インチのヘール望遠鏡ができるまでは世界最大の望遠鏡だったそうで、
かの有名な天文学者エドウィン・ハッブルはこの望遠鏡を使った観測で宇宙が膨張している証拠を
掴んだということです。

2ページ目には望遠鏡の種類(屈折式/反射式)とそれらの基本的な構造についての解説があります。
ちなみに、構造図にある屈折望遠鏡は「ケプラー式」、反射望遠鏡は「ニュートン式」になりますが、
どちらもアマチュア向け望遠鏡としては最もポピュラーな形式となってます。

3ページ目の「12月の星座」では冬の夜空に輝く1等星の名前を挙げてますが、個数を間違えてたり、
南の超低空に見られるカノープスはさすがに見つけ難いこともあるのか残念ながら除外されてたりと
今となってはちょっとツッコミを入れたくなる部分もあります。その辺はご愛嬌って感じかな。
最後に「すばる」の話が出てきますが、その下の広告にある「天文ガイド」の1976年12月号に掲載の
カラーリバーサルフィルムの宣伝ページにはこんな写真が掲げられてました。

撮影データによると明るさF4.5のレンズを用いて15分露出で撮られた写真になります。
すばるが纏っている反射星雲は微かに認められる程度で、ASA/ISO100の感度ではまあ頑張った方かな?
また、レンズの色収差で星の周りに青色のフリンジが出ていて、当時の技術レベルを伺い知ることができます。
それでも星団らしさが感じられるイメージを見て、いつかこんな写真を撮りたいと思ったものでした。
今は所有する機材にて、たったの5秒露出でこんな写真が撮れたりします(コントラスト向上処理等無し)。

光学系の明るさはF2.8、ISOは51200で感度差は実に512倍となるので、段違いなのは当然とは言え、
機材の技術的な進歩にあらためて感心させられるのでした。
天文学者が使う機材はJWSTを代表にとんでもなく凄いことになってますが・・・



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