夜空のあちこちに「球状星団」と呼ばれる類の天体が散らばっています。
そのうち、北半球において一番見映えの良いものがこちら↓
【M13】
キヤノンEOS Kiss Digital X + 口径18cm写真撮影用反射望遠鏡
ISO800 F2.8 総露出時間43分(8分×1+4分×5+2分×5+1分×5)トリミング
[7月19日 山梨県甲州市嵯峨塩裂石林道にて撮影]
この天体はヘルクレス座の一角にあり、長円軌道を持つ「周期彗星」があることを
見出したことで有名な天文学者エドモンド・ハレーが最初に発見しました。
文字通り、おびただしい数の星が密集して球体を形成しているのがわかりますね。
かなり大きめの望遠鏡(口径30cm以上)で覗くと、
実際に上の写真に近いイメージに見えて、とっても感動します。
さて、我々のいる銀河系には150個程度の球状星団が見つかっていて、
銀河円盤全体を取り囲むように広く分布していることがわかっています。
お隣のアンドロメダ銀河にも同じように数多くの球状星団が取り巻いています。
で、この種の天体を構成している主な星(恒星)はスペクトル観測の結果や
明るさの数的分布から、極めて老齢であることが分かっています。
20世紀終盤まで、その年齢は古いもので150億歳ぐらいになると見積もられていました。
となると、ビッグバン理論から推定される宇宙年齢の約140億歳を越えてしまい、
宇宙が誕生する前から存在していたという大きな矛盾が生じます。
これは天文学上の最大級の謎として議論されてきました。
現在では観測精度の向上等により、球状星団の年齢は120億歳足らずと推定され、
矛盾は解消されていますが、これがどのようにして出来上がったのかは解明が不十分で、
数十万個レベルの星たちがずーっと球形を保っていられるのは何故かということも含めて、
今でも謎の多い天体だったりします。
それにしても、これだけ星が密集している星団の中心付近はどうなっているんでしょう?
恒星がひしめき合うように存在しているんではないかと考えられますが、
もしもそこに地球があったなら、暗い夜空など無かったかもしれませんね。
コメント
あなたのブログにコメント投稿されたものです。
- まめ八 [2009年9月14日 21:54]
- こんばんわ。
きれいですね。まるで宝石のようです。
どうすればこんなに美しく撮れるのでしょうか?
じっと見つめていると遠近感が体感できますよね。
こんな星空を眺めてみたいなぁ。 - fornax8 [2009年9月14日 23:12]
- まめ八さん、こんばんは。こちらにもコメントをいただき、感謝です。
この天体は大きな望遠鏡で生の姿を見るのがオススメです。
次回、南阿蘇ルナ天文台にご訪問の際にリクエストされてはいかがでしょう?
口径82cmの望遠鏡なら物凄いイメージが網膜に飛び込んでくるはずです。
と言っても、夏場に見やすい天体なので、また来年ということになるでしょうか。
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