今年の蔵出し企画では、毎月1回、1年前の同じ月に掲載した写真の中からお気に入りをピックアップしていきます。自分の写真がどのように変わってきたか振り返ることで、今後の撮影の糧とします。
毎月10枚を選んで見返す予定でしたが、2006年1月は撮影枚数が少なかったため、5枚を選んで紹介します。
1年前は、コンパクトデジカメを持ち歩いて写真を撮っていました。
1枚目は名古屋に大雪が降った日に名古屋港に駆けつけて撮った南極観測船ふじ。名古屋を中心とする地域は普段雪が降らないせいか、雪が降ると都市機能が麻痺し、みんな家に閉じこもってしまいます。
でも、そんなときこそ普段見れない表情をとらえるチャンス。着膨れして家を飛び出しました。
この日は風があり、南極観測船ふじを船首側から撮ろうとすると、真向かいから雪を浴びてレンズが濡れてしまいます。必然的に船腹からのアングルで撮ることに。
残念なのは、防水された靴が家になかったこと。靴に付いた雪が溶けて水がしみてくるのが心配で、あまり雪景色を深追いできませんでした。
評価としては、「雪の中、撮影に飛び出した根性は認めるが、構図としては今一歩」といったところでしょうか。
街中スナップで撮った階段。カメラは普段からバッグに入れておいて、気になったらいつでも撮れるようにしています。
四角く配置された階段は見たことがありますが、三角に配置された階段は初めてでした。幾何学的な遊び心が楽しい階段です。黄色系で統一された色合いにも注目。
何気ない日常の中に潜む幾何学美には昔から興味がありました。
なばなの里で撮ったフクシアの花。この頃は、ステンドグラスのような透明感が好きで、露出オーバー気味に撮っていました。透明感を表現する代償として諧調が飛び、のっぺりとした質感になってしまいました。その質感がステンドグラス的なのですが。
このアングルで撮るのは苦労しました。特に、フォーカスが花に合わずに背景に合ってしまう傾向が強く、手を焼きました。撮るときには、手のひらやバッグで背景を遮って花にフォーカスを合わせる工夫もしました。
狙った場所になかなかフォーカスが合わなかったことが、後日一眼レフカメラを買うきっかけになりました。
初もうでのときに見かけた大黒さん。福々しい笑顔があふれています。とげとげしい現代社会に生きていると笑顔を忘れがちですが、こんな笑顔を見ると私まで笑顔になります。
人を幸せにできるって素敵なこと。これからも、見た人の心が和む写真を撮っていきたい。
こちらも初もうでのときに撮った写真。精密に組まれた木がすばらしい。木組みの美しさと重厚な印象を表現しようと、渡り廊下を下から見上げ、遠近感を強調して撮りました。
遠近感に魅力を感じるのはこの当時から。今でも広角で撮るのが好きです。
ダイナミックなアングルで撮るのは当初から好きでしたが、写真に興味を持ち始めて一層拍車がかかった気がします。
この写真は、パサッとしたような乾いた色合いが撮影当時からずっと気にかかっています。私の好みはもっとこっくりとした色ですが、実際に空気は乾いていますし、屋外のほこりをかぶった木の色は確かにこんな感じですから、これでよいのでしょう。
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