記事抜粋ーーーーーーーーーーーーーー
話は2009年にさかのぼる。
先代が急逝し、長男で大手自動車会社の技術者だった宮崎富夫さん(40)が跡を継いだ。
借金は10億円。どんぶり勘定の経営が続いた結果だった。料理に使う食材の在庫管理があいまいで、むだが多い。
経営分析しようにも、紙の台帳しかない。
富夫さんの経験を生かし、目をつけたのがIT。
予約から経理まで一元管理できるソフトを開発し、全従業員にタブレット端末を配った。
風呂にセンサーを付けて入浴客が一定数を超えると通知が来るようにし、掃除が必要か何度も確認に行かずに済むようにした。客の好みなどの情報も端末で共有する。
従業員が積極的に動くようになった。
ITでむだを省きつつ、料理など旅館の売りを充実させ、宿泊費も徐々に上げた。
システムを他の旅館に提供する事業も始めた。