SMBC日興証券に有罪判決 罰金7億、追徴金44億円 相場操縦事件
2023/02/13 14:09
(毎日新聞)
SMBC日興証券を巡る相場操縦事件で、金融商品取引法違反(相場操縦)に問われた法人としての同社に対し、東京地裁(神田大助裁判長)は13日、罰金7億円と追徴金約44億円(求刑・罰金10億円、追徴金約44億円)の有罪判決を言い渡した。また、同法違反に問われた同社元執行役員の杉野輝也被告(57)は懲役1年6月、執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)とした。
事件を巡っては、杉野元執行役員の他に元副社長執行役員の佐藤俊弘被告(60)、エクイティ本部元部長の山田誠被告(45)ら同社元幹部5人が2019年12月〜21年4月に計10銘柄の相場を操縦したとして起訴された。元執行役員はこのうち1銘柄についての罪に問われ、法人としての同社は従業員に違法行為があった場合に会社の刑事責任を問う両罰規定に基づき起訴された。
元執行役員、同社とも起訴内容を認めていたが、法人の弁護人は「追徴金は相場操縦で得た利益分の4778万円にとどまる」と主張して追徴金額を争っていた。
検察側はこれまでの公判で、山田元部長らは証券取引所の立会取引時間外に大株主から株を買い取って売却先を募る「ブロックオファー取引」で、株価の値下がりを理由に取引が不成立となるのを防ぐため違法な買い支えを繰り返したと指摘。法人の責任については「監督過失の程度は重大」としていた。【志村一也】