コロナ3年、学校現場に影 不登校激増、小中高生の自殺も多数
2023/01/15 05:00
(朝日新聞)
新型コロナウイルスの感染者が国内で確認されて15日で3年になる。これまでに国内感染者は3千万人超、死者は6万人超。学校などの教育現場も、コロナと向き合ってきた3年間だった。
20年春の一斉休校や、その後の行事、部活動などの学校生活の制限は、小中高生から友人との関係づくりや成長の機会を奪い、子どもの心に影を落としてきた。
国立成育医療研究センターが小中高生らに行った調査では、20年4〜5月の時点で「集中できない」「すぐにイライラする」といったストレス反応を訴える子がそれぞれ3割以上に上った。21年12月時点でも中等度以上のうつ症状がある子どもが16%に上った。
結果は深刻な形で表れた。文部科学省や厚生労働省によると、20年の小中高生の自殺者数は499人に上り、統計の残る1980年以降で最多だった。21年も473人と多かった。
不登校の小中学生も21年度に24万4940人と過去最多を更新。前年度からの増え幅も24・9%と過去最大で、文科省は背景には長引くコロナ禍による子どもの心身の不調やストレスがあると説明する。
■緩和局面の学校 「困難な子見過ごす可能性も」
昨年11月には文科省が給食中の会話が可能とする通知を出すなど、学校の制限は大幅に緩和されている。
ただ、国立成育医療研究センターの森崎菜穂・社会医学研究部長は「多くの子が日常を取り戻しコロナが終わったようになり、困難な状況にある子が見過ごされるリスクが高まった可能性がある」と注意を促す。「周囲の大人は、子どもとたわいのない話をするなどしてSOSを出していないか目を配ってもらいたい。必要なら専門家に相談してほしい」と訴える。(高浜行人)