親切に思えた旅行会社、消えた新婚旅行代70万円 被害女性の憤り
2022/05/03 08:11
(毎日新聞)
名古屋市中区の旅行会社「エヌワンツアー」が、新型コロナウイルス禍で予約をキャンセルした客に代金を返金せず、愛知県が旅行業登録を抹消していたことが2日、県などへの取材で明らかになった。
同社が加盟している全国旅行業協会(東京都)によると、2020年10月以降、茨城、東京、神奈川、愛知、三重、京都、大阪の7都府県の13組から計1000万円を超える被害報告が同協会に寄せられている。被害者は同社社長からの説明を求めているが、連絡がつかないという。
◇被害者が語った経緯と結末
エヌワンツアーから代金の返金がないという名古屋市の女性会社員(30)が毎日新聞の取材に応じ、被害の実態を語った。
2020年3月に結婚した女性は、その年の5月に新婚旅行でイタリア、ギリシャに行くことを計画。同年1月、同社と11日間のツアーを契約した。総額約150万円のうち、航空券代として70万円を先に支払った。その後コロナの感染が拡大し、同年3月、同社から「追加料金は発生しないので、旅行を1年延期しないか」と提案された。女性は「親切な対応」と感じ、快諾した。
翌年の1月、再び同社から「まだ旅行に行ける状況にはならず、もう1年延期しましょう」と連絡が入ったが、このやりとりを最後に、同社との連絡がつかなくなったという。
「幸せだねっていえるハネムーンをご提案、実現します」。オーダーメードを売りにする同社のホームページでは、現在もモデルプランなどを紹介し、07年〜19年秋ごろまでの顧客の旅行記が複数掲載されている。記者が2日、販売店舗となっている名古屋市中区のビルを訪ねると、旅行会社はそこにはなく、結婚相談所になっていた。中にいた女性に同社について尋ねると「留守番中で何も分からない」と答えた。
70万円が返金されない女性は同社の対応に憤る。「オーダーメードが魅力で信用していたのに悔しい。返金が望みだが、できないのなら納得のいく説明をしてほしい。逃げているとしか思えない」【酒井志帆】