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「嘔吐後もずっと痛い」“アニサキス食中毒”急増…要因は?“殺虫装置”開発進む

2022-06-11 18:50:25 | ニュース
「嘔吐後もずっと痛い」“アニサキス食中毒”急増…要因は? “殺虫装置”開発進む
2022/06/11 10:30
「5月の頭ごろだったと思う。サバを食べて当たった」
【映像】魚の切り身から出てきた実際のアニサキス(2:20ごろ)
 こう話すのは、アニサキスで食中毒を起こしたタマさん。自分で釣ったサバを酢締めにし、少しずつ食べていたこところ、アニサキスに気付かず、食中毒になったという。

「おなかの下というよりかは、胃の辺りがずっと痛くて。嘔吐した後も、ずっと継続して痛いといった感じ。本当に動けない」
 厚生労働省が8日に発表したアニサキス食中毒の患者数をみると、ここ数年で急増していることがわかる。今年は5カ月余りで、すでに10年前(2013年)の患者数を大きく上回っている。

 青魚、特にサバやイカなどに寄生する、長さおよそ2センチから3センチのアニサキスの幼虫。寄生していることに気付かずに、生で食べてしまうと、食中毒を引き起こしてしまう。

 急増するアニサキスによる被害。今、魚に何が起きているのだろうか。
 神奈川県川崎市にある鮮魚店では、さまざまなアニサキス対策が行われていた。二子新地鮮魚店魚市の営業統括部長である薦岡慶祐さんは「10年くらい前から比べると、すごく増えたと思う。本当に多いときは、半身で5〜6匹出てくるときもある」と語る。

 生の魚を提供するために、まず“目視”でチェックする。店では、魚のプロが手作業で徹底的に駆除していた。
 この日仕入れたばかりの、生のサバをさばいていると、やはりアニサキスが潜んでいた。

 「(身の)中にいるのは、僕はちょっと表面削って、身の色が変わっているところを探す。こうやって削っていくと、中に(アニサキスが)出てくる。普通の人だと、見落としちゃうんじゃないかなと思う」と話す薦岡さん。アニサキスが1匹見つかると、身をほじくり返し、アニサキスを取り除く。この後、さばいた魚は総菜用に加熱調理を行い、安全管理を徹底している。

■被害はほぼ全国で…アニサキス急増の原因は?
 日本の食文化の代表ともいえる「刺し身」。厚生労働省は生の魚介類を扱う業者に対し、サバ、イワシ、イカなどアニサキスが寄生する魚は「目視・冷凍・加熱」の処置を推奨している。しかし、アニサキスは、冷凍ではマイナス20度で24時間以上かけないと、完全に死滅しないという。

 熊本大学の産業ナノマテリアル研究所・浪平隆男准教授は「実際、1998年にお肉は全冷凍しなさいと決まった。そのとき『魚も(全冷凍に)』という話になったらしいが、やはり日本の食文化をダメにしてしまう可能性があるので、見送られた。ただし、このままアニサキスの食中毒が増えていくと、ひょっとしたら、そう言っていられない状況になりかねない。分岐点にいるような状態だ」と話す。

 浪平教授によると、世界では、ほとんどの国で魚を一度冷凍することが義務付けられているという。生で魚を食べる文化のある日本などが、わずかに例外となっているのが現状だ。

 今年、9日までにアニサキス食中毒の患者は、ほぼ全国で確認されている。アニサキスが増えている原因について、浪平教授はこう語る。
「アニサキスが寄生虫で、クジラが終宿主なんです。要は、アニサキスはクジラにいくために、頑張っている」

 まず、クジラの餌となる魚がアニサキスの卵を食べ、その魚の体内で、アニサキスは幼虫になる。そして、その魚を、クジラが餌として捕食。アニサキスはクジラの体内で卵を産み、クジラから排出された卵を、また魚が食べるという連鎖が起きているのだ。
 波平教授は「クジラの数が圧倒的に増えている」とした上で、これがアニサキスの数が増えている要因ではないかと分析する。

「水産業界の方が言うには、(寄生している)魚種が拡大している。『今、海に住んでいるもので、アニサキスがいないものはいないのでは』とまで言われるようになっている」

■アニサキスを“一瞬で死滅”熊本大学が殺虫装置を開発
 食中毒を引き起こし、激しい腹痛をもたらすアニサキス。ただ、死んでしまえば、悪さをすることはない。どうすれば、魚の鮮度を保ちながら、すべてのアニサキスを死滅させることができるのか。
 熊本大学では、“アニサキス殺虫装置”を開発。仕組みは、1万5000ボルトという雷レベルの電圧を100万分の1秒という一瞬だけ流すというもの。これでアニサキスは、99.9%死滅する。
 「こういう技術で、文化を絶やすのではなく、安全なものを提供できる技術に切り替えようという機運も今高まっています」と意気込む浪平教授。アニサキス殺虫装置は、すでにプロトタイプが去年から実用されていて、2025年以降、量産販売の準備に入る見通しだという。(『ABEMAヒルズ』より)


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