鉄屋根が落下し後遺症 元野球部員が提訴 バッティングマシンのネット片付け
2021/09/07 18:38
(京都新聞)
京都府立西城陽高(城陽市)の野球部で2019年8月、バッティングマシンの囲いの上に設置された鉄製の屋根が落下し、当時部員だった男性の首に衝突して後遺症が出たとして、男性が7日までに府や当時の部員3人を相手取り、計1億7300万円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こした。
訴状によると、西城陽高のバッティングマシンの周囲にはネット付きの鉄枠が置かれ、その上に重さ15キロ超の鉄製の屋根が載せられていた。当時1年だった原告の男性がマシンを片付けようとして屋根の下に入り、被告の部員らが屋根を移動しようとしたところ、屋根が鉄枠から落下して男性の首に衝突。男性はその後、強い頭痛や吐き気を訴え、頭頸部外傷後過眠症などと診断された。長時間寝続けて起こしても起きなかったり、短時間で突然睡魔に襲われたりする後遺症が生じ、出席が困難となって同高の退学を余儀なくされたとしている。
原告側は、屋根が固定されておらず、事故当時、教諭の部長や監督らが屋根の移動に立ち会っていなかったことから安全配慮義務に違反していると主張。被告の部員らも屋根が落下しないように支えるなどの措置を怠ったと訴えている。
京都府教育委員会は「弁護士と相談して対応を協議する」としている。