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過少賠償、原因示さず東電、農民連と農家に説明

2021-09-29 07:08:41 | ニュース
過少賠償、原因示さず 東電、農民連と農家に説明
2021/09/28 11:00

(朝日新聞デジタル)
 東京電力福島第一原発の事故による農産物の風評被害の賠償について、福島県農民運動連合会(農民連)と農家が27日、東電や政府と交渉した。個人の賠償請求者に正しく賠償していなかった問題に関して、東電は「(間違いを)認識できていなかった。影響を受ける請求者におわび申し上げる」と釈明した。ただ、問題が起きた原因については説明しなかった。

 風評賠償は2019年1月から新たな算定方式が採用された。賠償額のもとになる「基準単価」を計算する際、全国的な市場価格を反映するために東電が「全国平均価格変動係数」を掛けて調整するものだ。

 ところが今年8月末、農民連の指摘で、一部の個人請求者に対し、東電が本来よりも低い係数を掛けて賠償額をはじいていたことが発覚。実際の額と月100万円超の差が出たケースもあり、なかには賠償額がゼロになった人もいた。

 27日の交渉で東電の福島原子力補償相談室中央・団体相談グループの平沢朋部長は「社内で出た数字で機械的に計算していた」と、故意に低い値を使ったわけではないと釈明した。東電は賠償額を過少に受け付けたのは約10人で総額は約500万円だったとしたが、農民連の指摘がなければ対象者はふくらんでいた可能性がある。差額は速やかに支払うという。

 一方で、東電は農協(JA)を通じた団体賠償では正しい係数を用いて計算していた。農民連は、なぜ違う係数が使われたのかを再三にわたって問いただしたが、東電の平沢氏は「備えができていなかった。各団体とは個別に協議させていただいている。詳細は控える」と述べた。

 賠償に関して東電を監督する立場にある経済産業省の担当者は、9月になって初めて今回の事案を知ったとし「計算が明らかに違っているのはよろしくない。再発防止をどうしていくか確認したい」と話した。 
■「信頼していたのにショック」
 伊達市のブドウ農家、野田吉男さん(66)のもとに東電の担当者がやってきたのは1月のこと。その際、提示された賠償の合意書には、昨年8〜10月のブドウの賠償の算定額が「ゼロ」になった、とあった。

 生産量などが違うため額にばらつきはあるが、年50万〜80万円をブドウの風評被害の賠償として受け取ってきた。初めてゼロ回答となり、「がっかりした。前年とずいぶん違うなって。でも、ちゃんと計算してくれなんて言えないし、きちんとやっているとしか思っていなかった」と野田さんはふり返る。東電の担当者にうながされ、合意書に署名して押印したという。

 今月に入って農民連から連絡があり、本来の賠償額が約95万円とみられることがわかった。「ショックが大きい。東電を信頼していたのに」。毎年、10月半ばにブドウの出荷が終わると、次の仕事にあてるため、すぐに東電に賠償請求をしてきた。「賠償金がたくさんほしいわけではない。でも原発事故後は収入が落ちた。賠償金が頼りだった」

 野田さんは27日の交渉にも足を運んだ。「何でこうなったのか知りたかった」が、東電から、納得のいく答えは得られなかった。(笠井哲也)


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