遅いことは猫でもやる

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トヨタと二宮尊徳

2006-06-05 12:53:22 | 講演録
世間のイメージと実態はずいぶん違う。

張トヨタ副会長の講演を聴いたが、すごくわかりやすい。
トヨタは「乾いたタオルを絞る」といわれているが
基本には人間性尊重の哲学がある。

徹底的に無駄を省く経営を追求しているのであって、
労働強化とはまったく違う。
人間性=考えることを尊重する 経営をしている。

アメリカのケンターッキー工場の立ち上げにかかわった張氏は、
アメリカよりはるかに人間的な経営をして、成功した。


あの薪を背負った二宮金次郎は、
刻苦勉励、封建社会の典型のように思われているが
実際は違う。

GHQのインボーデン少佐は、
戦時中に刻苦勉励の象徴となっていた二宮金次郎について、
軍国主義的だとして否定するどころか、
意外にも逆に以下のように述べて誉め称えている。

「二宮尊徳翁は、日本のアブラハム・リンカーンである。
 自由と民主主義を日本で初めて実践した人物である」


両者に共通しているのは、先祖、創業者を敬うということである。
産業構造は、江戸末期とは違ってきているが、
以下のことは現代にも当てはまることが多いのではないか。




 報恩訓

 
 父母の根元は天地の令命に在り
 身体の根源は父母の生育に在り
 子孫の相続は父母の丹精に在り
 父母の富貴は祖先の勤功に在り
 吾身の富貴は父母の積善に在り
 子孫の富貴は自己の勤労に在り
 身命の長養は衣食住の三に在り
 衣食住の三は田畑山林に在り
 田畑山林は人民の勤耕に在り
 今年の衣食は昨年の産業に在り
 来年の衣食は今年の艱難に在り
 年々歳々報徳を忘るべからず



響きあう心を育てよう

2006-04-05 11:12:34 | 講演録
川崎市の男児投げ落とし事件、岡崎の同僚社員を刺した事件など、
どうも当事者の心理がわからない事件が多発しています。

一体過去にどんな、成長過程があったのでしょうか。

春は、卒業の季節であるとともに、入学、入社の季節です。
今回は子育てについての貴重な意見を紹介します。
ご自分の子供・お孫様についても参考になると思います。


■川崎医療福祉大学 特任教授佐々木正美教授のお話

子育て、青年、家族についての精神医療を担当する専門臨床医です。
佐々木教授は、3人の先輩学者の論理から説き起こします。

◎ハート・サリバン
「人間はこの世に生まれたからには、生きる意味、価値がある」
それは人間関係を通してのみ、確認、調整できる。

◎エリック・エリクソン
人間関係は、与える者と与えられる者が「相互に」良い関係を
作っている時に最も効果が現れる。赤ちゃんと子供、先生と生徒、
医者と患者、上司と部下はお互いに影響しあっている。
(例)生徒から教えられると感じている先生は良い授業が出来る。

◎アンリー・ワロン
赤ちゃんの成長過程は次の段階をたどる

  • 無意識の微笑み返し(0~2ヶ月)親が笑うと赤ちゃんも笑い返す。生後まもなくの殆ど自意識のない赤ちゃんでも反応する。
  • 傍に居て欲しい(2~3ヶ月)離れると泣いてけん制する。
  • 喜ぶことをやってくれという自意識の芽生え(3~4ヶ月)多くは抱っこの欲求。望む事をやってくれ。
  • 私が喜ぶことを、喜んでくれ(共感してくれ)という欲求(4~6ヶ月)

この段階を経たのち、他人の悲しみが解る様になる。
情緒が円満に育ってゆくといわれます。

ただ、本人が喜ぶ方法は色々あります。
御両親と祖父母、御近所の人ではそれぞれ違います。

両親は将来の幸せを願って、我慢などさせ、
祖父母は今、現在の幸せを味あわせようとする。
色々な形があってよい。大切なのは、自分が喜ぶことを
心から喜んでくれる人が周りに沢山いることです。

その延長で行くと、
保育園、学校の先生と両親の仲が良いこと
=親が先生を信頼している事がわかると、
子供は物凄く安心し、情緒も安定する。

自分を喜んでくれる仲間だと安心します。
親と先生の一言二言の会話がどれだけ子供に大きな影響を与えているか
意識すべきです。



翻って考えると、新入社員についても同じことが言えるのではないでしょうか。

本人の成長をともに喜ぶ先輩、上司が居る。
上司と先輩とは信頼しあって仕事をしている。

これらのことが私たちの間に響きあう心を育てて行くといってよいと思います。


パリ・ダカドライバー

2006-03-31 15:50:10 | 講演録
先日パリ・ダカ ドライバー浅賀敏則氏に話を伺いました。
45歳くらいの日焼けをした精悍な面構えの方で、
同伴ナビゲーター沼田靖志氏は20歳代後半の若者でした。

普通ドライバーが若くて、ナビゲーターがベテランと思いがちだったので少々意外でした。

浅賀氏は会社経営の傍らトヨタ車体(旧アラコ)チームから参加。
20回参加の大ベテラン(篠塚健次郎は21回)でクラス優勝6回、2位8回という猛者です。

以下、箇条書きですが、お聞きした内容です。

スピードレースの最高峰F1レースは1戦あたり300~600kmで年16回戦いますが、
パリダカは8000kmを一回で走りぬく過酷なレースです。

スポンサーのひとつにアウトドアのモン・ベルが付いていますが、
レースの途中は野宿同然の宿泊が多いので、
このメーカーのバックアップは非常にありがたい。

砂丘を越えるには、途中でアクセルを緩める勇気を持たねばならぬ。
スピードを競っているので、一秒でも早く駆け抜けたいが、
砂漠の走行が勝負を決める。

いたるところにある砂丘をどう越えるか。
上りで踏み込まないと砂に埋まる。
踏み込みすぎてピークを越えると、車が逆さまに突っ込み、クラッシュする。
思い切ってアクセルを緩める勇気が要る。
早く行かねばという思いのなかで、現実の斜面と向かい合う勇気が必要。

ナビゲーターとの信頼感が大切。
咄嗟の場合、ナビゲーターの言葉と動作が違う場合がある。
(「右」と言いつつ、動作は左を指すようなことが時々ある)
どちらを優先するか難しい判断。

ドライバーは今の運転に全力を尽くし、100分の1秒単位の動作で挑む。
ナビゲーターは先のことを考え指示を出す。
(仕事でも同じ=ラインとスタッフ、闘いの現場と支えているパートナーの関係)

また、ナビゲーターは翌日用の地図を夜に渡され、
殆ど寝ずに明日のシュミレーションを行っている。

そんなことも配慮しチームメートを理解する。


浅賀さんは大変若々しく、サミュエル・ウルマンの「青春」を信じていると
朗読してくれましたが、御歳62歳(パリダカの現役ドライバーですよ!)
と聞きびっくりしました。