リタイアーして本を読む時間がたっぷりできたのが嬉しい。
乱読である。浅田次郎、高杉良、真保仁、幸田真音、堺屋太一、藤沢周平など手当たり次第だ。小説が多くなるのはやむをえまい。
何故か池波正太郎「鬼平犯科帳」に凝ってしまった。会社のT君から藤沢周平の用心棒シリーズを勧められ、その流れで「剣客商売」「鬼平」ときてしまった。
年をとると時代劇が良くなる、といつか聞いたことがあるが、確かにそんな気がする。
勧善懲悪、危機一髪の場面もあるが、必ず最後は長谷川平蔵が犯人を召し捕る、或いは斬って捨て、正義が勝つ。但しそこは若い頃無頼の生活を過ごした平蔵の事ゆえ、事件処理には粋な計らいを見せる。このパターンが水戸黄門と同じように読む者に安心感を提供する。
長谷川平蔵の設定は、若い頃不遇の環境に育ち、放蕩、暴れん坊生活をして過ごすが、事の成り行きで旗本の家を継ぎ、江戸の町を取り締まる役職につくというもの。
その平蔵ゆえ、下情に通じている。盗賊の心情を読むのに長け、関係者(同心、密偵、被害者家族、加害者家族など)、にきめ細かく目配りをしている。捕物に姿を借りた人情物と言ってもよいくらいだ。ここらあたりが小説の幅を広げている所以なのだろう。東京の中堅証券会社で丁稚働きをしていた作者の経歴と少し重なって見える。
「お盗め(おつとめ)」「連絡(つなぎ)」「畜生ばたらき」「急ぎ盗め」「押
しこみ=盗みの決行」『打ち込み=現場への捕獲決行」など池波ワールドの独特の用語を私も覚えてしまったが、著者はこうして時代の雰囲気を盛り上げている。
史実にあったかどうかは判らぬが、池波はこの小説の中で、繰り返し「真の盗賊の三ヶ条」を挙げている。
いわく
1.盗まれて難儀をするもの(家)には手を出さぬこと
1.つとめ(盗め)をするときには人を殺傷せぬこと
1.女を手ごめにせぬこと
である。
真の盗賊は、これと的を決めたら、準備に1~年かけ、そこに引き込み役(内通者)を送り込み、勤めさせたり、女将さんとして入り込んだりし、家の間取り、金庫、土蔵の錠前の鋳型取り、など準備を十分整えて、家のものに気付かれないように決行したという。あまりの手際の良さに、感心した豪商はお上への届出をしなかった例もあったという。
私にとって、ちょっと悔しいのは、出てくる江戸の地名の土地勘がないので、橋や川、屋敷跡
などそれぞれの位置関係がよくわからないのが、残念である。
人の心の動きとストーリー展開を愉しむエンターテイメントとして絶好である。もう15巻まで読んでしまった。
食も街もだから小説の中の情景は良く分かります。そこで提案ですが、池波正太郎氏は劇作家としても著名です。映像を見るとどうしても役者さんのキャラクターに幻惑されます。
是非、音声で聞いてみて下さい。何処の図書館にもあります。最高ですよ一晩に4冊分くらいは読めます。彷彿として江戸の町が眼前に現れますよ。池波正太郎全仕事のトップに私のHPに全貌があります。御参考までに
早速図書館で探してみます。
こんな不条理な世の中、どう思いますか。
まあ年寄りの愚痴とお聞きください。それでは有難うございました。
おっしゃるような、安易な効率主義?による映像作りは需要と供給の関係で横行しているようです。
これとは逆のいわゆる職人魂は、時代から取り残されたような田舎にしか残っていないと思われがちですが、意外に東京に多くおられるようです。まだまだホンモノを見る目がある人が、東京には多いということでしょうか。
クラシックレコードカタログ40年前にCP化しました。
現在は、TV制作に関与してしています。
恐らく、池波、井上靖、團伊玖磨、大石芳野、司馬遼太郎、戦国時代に関する文献書籍などの資料、クラシックコンサートプログラム、ライナーノーツ、昔は、無線機、アンプ類の設計製作、等種々の事を行っていますが全てペンネーム11、CPとBIOGは本名です。團伊玖磨の音楽はNETで全てありますよ。どこら辺に住んでますか
クラシックレコードカタログ40年前にCP化しました。
現在は、TV制作に関与してしています。
恐らく、池波、井上靖、團伊玖磨、大石芳野、司馬遼太郎、戦国時代に関する文献書籍などの資料、クラシックコンサートプログラム、ライナーノーツ、昔は、無線機、アンプ類の設計製作、等種々の事を行っていますが全てペンネーム11、CPとBIOGは本名です。團伊玖磨の音楽はNETで全てありますよ。どこら辺に住んでますか