遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
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天下の秋

2017-08-31 03:49:30 | 雑感

桐は今が実のなる頃である

大きな葉が茂る

「桐一葉落ちて天下の秋を知る」は、豊臣家の没落を揶揄した川柳だと思っていた。中々含蓄のある句とは感じていたが、これには下敷きがあった。「一葉(いちよう)落(お)ちて天下(てんか)の秋(あき)を知(し)る」《「淮南子(えなんじ)」説山訓の「一葉の落つるを見て、歳のまさに暮れなんとするを知る」から》落葉が早い青桐(あおぎり)の葉が1枚落ちるのを見て、秋の来たことを知る。わずかな前触れから将来の大きな動きを予知できることのたとえから来ているという。

中国の故事から来ているとは知りませんでした。それはそれとして、散歩道に立つ家の前に大きな桐の木が植えてある。このあたりで他では桐の木は見かけないので、おそらく家主がわざわざ植えたのだと思う。実が黒々とついて葉が茂る。大きな葉で一枚でも落ちれば確かに目立つ。

確かに散れば気になる存在である。この葉の散りざまを秋の予兆と捉えたのは卓見だろう。一強を誇った安倍政権も、とうとう耐えきれなくなって凋落の兆しを見せ始めている。これほど本心とは別の言い訳を平気でする輩を見たことがない。

ふと見ると栗も大きくなってきている。一週間前にはまだ親指の爪ほどだった実が、今は軟式野球のボールより少し小さいくらいに育っている。イガの針でみっしりと武装し、葉の間にあちこちに姿を現しているのは、何故か可愛い。

そういえば、淡い紫の可憐な花をつけるマツムシソウの数が減ったのか、あんまり見かけない。たしかに秋はそこまで来ている。


栗の実も大きくなってきた

今年は栗の豊作か

目には涼(さやか)に

2017-08-30 03:48:44 | 雑感

空はまだ夏空

すすき3態

処暑を過ぎても暑い日が続く。元来「処暑」は暑さが少し和らぐ頃のことだ。朝の風や夜の虫の声に秋の気配が漂うころだ、とものの本には書いてあるがこのところの暑さは異常気象である。ゲリラ豪雨に竜巻、台風までやってくる。いまだに全国的に猛暑日が出現している。

大体が「秋来ぬと目には涼に見えねども風の音にもおどろかれぬる」古今和歌集 藤原敏行の歌は「秋立つ日」に詠める とある。立秋の頃の季節だ。いかに温暖化が進んでいるかがわかる。

おまけに北朝鮮がミサイルをぶっ放し、日本上空を通過させた。29日には早朝からJ・アラートなるものに不安を掻き立てられた。北海道から長野県までとかなり幅広く警報を出している。飛んでくる高速ミサイルを撃ち落とせる技術ならば、もう少しピンポイントで進路を絞り込んで予測できないものか、と思うのは私だけだろうか。

それはさておき、夏空の下うるさいくらい鳴くセミの声も、夕暮れ時には少し小さくなり、耳を澄ませば虫の声が涼やかだ。目を上げればすすきが穂を出し楚々と風に揺れる。コスモスも花を付けだした。いつも夏の終わり頃3角錐状の紫の花をつける木が今年も花を咲かせている。名前は知らぬが生命力に溢れる夏の花だと思う。

そういえばススキも見た目とは違い、茎は丈夫で草刈りのときには伐採には大いに手こずるしぶとさである。夏の終わりから秋にかけては、見た目とは別に強い生命力が満ちているのかもしれない。それにしても着実に季節は進んでいる。


秋の花コスモス



これは何という花なのか

山での愉しみ

2017-08-29 06:51:58 | 雑感


涼を求めての山小屋生活であるが、楽しみは何と言っても読書であろうか。これは何と言っても文武両道の畏友のお陰によるところが大きい。

山小屋での生活の基本は、ブログ書き、散歩、下手な俳句作り、その他草刈りなどの作業、などであるが、圧倒的に時間を費やすのは読書である。義兄からも山本周五郎の文庫選集を30冊位借りているのだが、つい先日も、畏友が入れ替えに来ましたと、文庫ケース3本分を届けてくれた。中々周五郎まで届きそうにない。

貸してくれたケースには、いろいろな作家の面白そうな本がぎっしり詰まっていて、まだ文庫本1ケース分とハードカバー6,7冊が手許にあるので、読むものが無くなる心配はない。小さな山の部屋にいて、いろいろなフィクションの世界に広く遊ぶことができ、倦ることがない。皆さんが心配してくれるような退屈な日は送ってはいません。最近少し山歩きが少なくなってきたのが気になってはいます。

リタイアする時に「昼間から酒を飲むのはやめよう」を自分のルールにしたが、お客や行事の時はともかく、これも一応は守ることができている。家人も何くれとなく面倒を見てくれ、疎漏がない。お陰で毎日楽しく暮らしております。

ブックマーク

2017-08-28 04:39:03 | グルメ


南米旅行で、ブエノスアイレスの本屋で買ってきたブックマークをお土産として友人に渡した。ふたりとも本が好きで結構な読書家である。一人は今年度RC会長なので、卓話の材料調べに、インターネットだけでなく、紙の資料も使うだろう。

大量の小説を貸してくれている畏友は勿論読書家と言って良い。ブエノスアイレスには、オペラ劇場を改装した本屋もある。今回の本屋もかなり大きな本屋で、アルゼンチンの人はこんなに本好きかと訝ってしまう。

タンゴとワインが好きなラテン民族だとは思うが、読書好きのようには見えない。しかし大きな本屋があちこちにあるのも事実だ。ブックマークはインカかマヤか定かではないが、その時代の迷路をかたどったものと女神の像である。

頁を挟むのは少々面倒くさいが、地球の裏側から運んできたと思ってくれたら幸いである。

天麩羅パーティ

2017-08-27 13:58:01 | 雑感


半年前、ロータリー時代の友人と飲んだ際、「私は天ぷらを揚げるのが得意で、お盆休みには親戚の人達に振る舞うのが恒例になっている」という話を聞いた。彼は理論派、人情派ではあるが、決して職人肌ではないと思っていた。同席していた奥様も「これだけは結構やるんだ」と請け負う。

さらばということで、今回畏友のお宅での天麩羅の腕前披露パーティの開催となった。正直素人のお惣菜天麩羅を予測して、出かけた。ところが、友人は1時間前くらいから準備し、揚げ種、油、など自分の手で選び、包丁の研ぎまでやってのける、かなり本格的である。

久しぶりの顔合わせでビールで乾杯し、そのものを待つ。まずは茄子。扇状に包丁を入れ、爽やかな黄色に上がっている。油も軽くサクッと箸にあたり中々イケる。見た目も奇麗だ。続く蓮根、玉葱、アスパラ、など皆美味しい。時折、生姜、枝豆、エノキ茸、舞茸など変わり種で変化をもたせ、イカ、エビ、かき揚げなどの定番を引き立てる。

お見逸れをしました。玄人の職人に近い、中々の腕と見た。出てくるものを、一通り「おいしい」「おいしい」と食べていたら、はちきれんばかりの満腹になり、大幅な食べ過ぎとなってしまった。いくら油が軽いと言っても限度はある。後悔先に立たずだ。

膨れたお腹をさすりつつ畏友宅を後にした。

南米旅行ー旅の終わりに

2017-08-25 04:37:45 | 行ってきました

フルフラットシート

7/1南米を発つ日。遼馬君が我々を見送りに空港まで来てくれた。義妹夫婦はこれからクスコに回り、マチュピチュにゆく予定である。午後便で時間が少しあるので、ブエノスアイレス市内をブラブラとし、本屋でおみやげにブックマークなどを買う。1時頃遅めの昼食を取ったが、このレストランは繁盛店だけあって、青菜いっぱいのピザなどセンスの良さが光っていた。

空港から帰路アメリカ経由でまたもや30時間近くかけて日本へ。ダラスのパスポートチェック、ラウンジの受付でも片言の日本語を話す人がいて、6ヶ月前より日本の認知度が上がったのではないかと感じた。

今回の南米旅行は、名勝を尋ねることより好漢遼馬君と旅をする事が重点であったが、それでもエンゼルフォール(ギアナ高地)、レンソイス、サンルイス、サルタ、オルノカル、など南米ならではの景色に出会えた。ボゴタも忘れられない街だ。

ただ、よく考えるとこの旅は、体力がないと続かない。夜行バス、川上り、ランクルでの荒れ道踏破、長時間/長距離のドライブなどかなりの苦行である。衛生面はそれほど不潔感はなかったが、コレラ・チフス、黄熱病、肝炎の予防注射などはしてあったので安心だった。ベネズエラでは放し飼いの犬が多く、狂犬病の予防注射も、念のためしておいたほうが良いだろう。

食べ物については、殆ど問題なかった。量の多さは年齢もあるので一概に言えぬが、味はどこも良かった。東南アジアなどでは「これはちょっと」というものに出くわす事があるが、ここでは殆どなかった。特にアルゼンチンの肉は美味しい。

セントレアに着いて、長旅の疲れを癒やすべく、ちょっと一杯やりたくなり、金山で途中下車。近くの居酒屋で冷たいビール、枝豆、お刺身、手羽先、アサリの酒蒸し、締めに土手飯なんぞを頂いて名古屋めしを満喫した。帰って浴びたシャワーの柔らかく、熱さを調整したお湯を浴びながら、「やっぱり何と言っても日本が一番だ」と独りごちた。


長い間お付き合い下さり、ありがとうございました。今回で南米旅行の報告を終わります。


やっぱり日本のビールとお刺身だ

名古屋のどてめしも久しぶり


南米旅行ー最後の晩餐

2017-08-24 13:57:12 | 行ってきました

さらばサルタ

サルタ空港

3週間近くの南米旅行も終わり、本日=6/30(金)はブエノスアイレスへ帰還する日となった。去ることになると、この町サルタも懐かしさが増す。昨日は帰り道、事故渋滞にあったが、流石に今日は何もなく空港へ。

ただ、ブエノスアイレスに着き、「7月9日通り」のオベリスクを右折したあたりから、猛烈な渋滞となる。フロリダ通りにかけて車が動かない。30分以上渋滞してNHホテル到着は5:45。一休みした後、夕食レストランに向かった。

我々が選んだ店は、前回好評だった運河沿いの海鮮スペイン料理「ソレント」。ホテルから徒歩15分、ここで最後の晩餐を楽しむ。メニューは、海老のアヒージョ、カラマリ、イカ墨のスパゲッテイ、サーディンのサラダ、パエリア等など。ワインの選択を含めやはりここは好感が持てた。

遼馬君に長旅のお世話のお礼を述べ、ワインで乾杯。楽しい旅の思い出に浸り、旨い料理に舌鼓をうち、ワインが進み、宴は大いに盛り上がった。「旅はどこに行くか」より「誰と行くか」が成否に大きく影響するとあらためて実感した。義妹夫婦にも大いに感謝。


夜の運河

ホタテのシェルグリル

サーディンのサラダ

パエリア

宴は終わりぬ

夜風にあたってブラブラと帰り、宴の余韻が残り、ちょっと一杯とばかり、ホテルの近くの居酒屋へ入り込み、ここでワインを1本空ける。これも楽しい思い出である。



居酒屋のオーダー

南米旅行ー五色の地層オロノカル

2017-08-23 08:34:24 | 行ってきました

ウマワカの街角

売り物のお面

独立の英雄像

記念撮影

もう一つの中心大聖堂

ワカレラのホテルで美味しいワインと料理を頂き、デザートまで満喫してゆっくりと出発した。まず向かった先はウマワカの英雄像の丘。街の中心にある独立戦争の英雄像、大聖堂を中心に門前町の様相で賑わっていた。色彩は昨日の街と同じで、極彩色の服や帽子が多い。特徴のあるお面も売っていた。

街を外れ草原へ出ていよいよ展望台へと向かう。なだらかな草原の中を蛇行しながら登り、簡単な小屋が立つチェックポイントを過ぎたら間もなくオロノカルの展望台に出る。といっても人工物は標高4350mの標識だけ。

しかし眼前に広がる五色の地層は圧巻である。赤は粘土、白は石灰、緑は鉛、黒はアンデスの土、黄色は?と五色の地層がくっきりと波打つ山肌は見たこともない絶景である。空は澄み渡り見渡す限りの山並みである。ガイドも、遼馬君もこんな天気では見たこともないと興奮気味である。

他にも3台位の車が駐車して景色を楽しんでいた。さすがに高度が高く、少し息切れをしたが、我々も記念撮影をしまくって堪能した。この世のものとは思えない風景をしっかり目に焼き付けて展望台を後にした。こここそ他に類を見ない世界遺産にふさわしい絶景である。今回の南米旅行のハイライトの一つとなった。

陽が高いうちに帰途についたが、途中渋滞に会い、次第に陽が傾きホテルには真っ暗になってから着いた。


オロノカル展望台入り口

180度の展望
五色の地層

絶景に見とれる

丘を降りる

夕暮れ迫る

南米旅行ーアンデスの麓の村々

2017-08-21 11:22:56 | 行ってきました

くっきりとした地層を見せる山

プルママルカ村

表札?


村の街角

観光も大詰め。今日は最後の遠征、ウマワカーオルノカル。4:45分に起床して、7:00出発。まだ真っ暗である。次第に夜は明けてくるが、朝もやがかかり冷え込んでくる。明るくなる頃には靄が霧になるほど濃くなってきた。陽が上がるとさすがに霧は晴れた。

遠くの山々はくっきりとした地層を斜めに見せている。途中一回休憩を入れて、ブルママルカ村に到着。標高2200mでマチュピチュ村と同じだ。道端の市場の色彩もネパールやマチュピチュと同じだ。土壁づくりの街角は市場のほかは人通りも少ない。

肌寒かったので、市場でアルパカのマフラーを購入。家内はパシュミナを買う。街の中心にある小さな教会に行く。素朴で装飾の少ない教会だが、こんな小さな村にも信仰の力は隅々まで届いている。


山肌が村の近くまで迫る

色鮮やかなお土産屋さん

小さな教会

プルママルカ村を後にして、次は史跡っぽいマルマカ村へ。丘の上に上がるとティルカラのプカラ(城砦)と言われる、石の住居あるいは砦の遺跡があった。一個一個の構築物はしっかり残っているが、マチュピチュほど密集はしていない。1905年発見されたが、作られたのは1123年だと言われる。

マルマクというのは「星の落ちる街」の意味でたいへんロマンチックだ。遠くの山々の地層の色や模様がきれいである。


マルマク村

見学を終え、隣村ワカレラ(隠された宝石)のホテルのレストランへ。2,3日前にメニューを幾つかの中から統一にしてくれ、と遼馬君が聞いてきたのはここのことだった。たしかにきれいなホテルではあるがレストランには私達だけ、周りにはなんにもないところなのでこれ以上のお客も期待できない。確かにこれではメニューも統一しなければ材料も無駄になってしまう。


ホテルのレストラン

昼食のメニュー

デザート

ホテルのちょっとした飾り置物

ビールはよく冷えており、銘柄が2種になってはしまったが美味しい。出てきた料理もとても美味しかった。かぼちゃのテリーヌ、ラザーニア、はワインによく合った。ゆっくりとした昼食で、屋外に照りつける太陽をよそに昼間からの酒を楽しんだ。少々食べすぎた。

共依存が産んだ犯罪

2017-08-18 12:11:11 | 


柚月裕子「蟻の楽園」~アントガーデン~宝島社文庫刊 2015年刊

このところ雨の日が多く家で本を読んでいることが多い。そのうちの一冊である。

この作家の本は初めてだが、「このミステリーがすごい!」受賞者でもあり、大藪春彦賞も受賞しているかなりの作家である。読み進めるとたしかにかなりの筆力で、ストーリーの展開に無理がない。オーソドクスな因果関係追求を地道な聞き込みで辿ってゆく。

実際に起きた婚活犯罪が下敷きになっているが「後妻業」ほどのあくどさは抑え気味で、社会問題としての犯罪を浮き立たせている。犯罪首謀者の生い立ち、行動は数奇なものだが、そこを例外的なものとは捉えず社会の歪が生み出した側面もあることに触れる。その意味では良識的とも言える。

題名の「蟻の楽園」については次のように述べている。南米に「蟻の楽園」と呼ばれる蟻と植物の共依存によって成り立っている事象がある。蟻は地上ではなく樹木の上に巣を作り、その巣に数種類の寄生植物が生える。蟻たちは着生した植物の果実を食料にし、植物は蟻の廃棄物を栄養源にして生きている。どちらが欠けても生きてはいけない。自分が生存するために、相手の存在を必要とする事象に首謀者のイメージが重なった。

これ以上の紹介は、本書の内容を暴露することになるので避けるが、この作者は確実に読者を広げてゆくだろう。読んで面白い一冊である。