名古屋ターミナルホテルと言うホテルをご存知かだろうか。
昭和49年、当時の国鉄とJTBが立ち上げ、
名古屋の五摂家と言われる財界と名古屋観光ホテルの指導で
万全のスタートをしたホテルだ。
ところが平成11年に名古屋駅ビルが改装され、
ツインタワービルにマリオットホテルが入り営業開始すると共に
たちまち倒産の危機に見舞われる。
設備、規模、新しさどれをとっても太刀打ちできない。
経営陣は幕引き役にこの人を送り込んだ。
国労の専従から、総務部長、現在専務取締役総支配人になった
柴田秋雄氏がその原動力となった人である。
幕引き役と思われた彼の元で、2005年の愛知万博の年には
稼働率95%近くの営業成績を上げる優秀ホテルへと変身。
おそらく名古屋のホテルの中で社員の賞与は最高レベルだと思う。
隣接する名古屋高島屋の今年のバレンタイン祭りに出店したところ、
世界から集めた名店86店の中で、堂々7位の成績。
14日間で500万以上の売り上げを上げた。
毎日の売り上げ速報が、その日の11時過ぎに携帯に入って来る。
「報告をしろ」と言っているわけではないのだが、
嬉しくて上司と喜びを分かち合いたくて、
一日の最後に報告が来るのだそうだ。
その秘密は、徹底したES(社員満足)追求の姿勢。
「世界一幸福な社員と家族を作る」と経営方針に明記してある。
そして具体的に一つ一つ実行している。
・経理の公開
・誕生日会の実施
・全社員ミーテイング
・お客様から褒められた人への表彰
・アルバイト・パートを含めた社員・家族感謝の夕べ
などなど。
ロビーには社員の実家にあったお雛様がかざられ、
また西尾の能画の大家磯部氏の絵が5点飾られている。
無料出展だそうだ。
働いている人に聞いたら、
「仕事に来るのが楽しくてしょうがない。
3日休むと職場の雰囲気が変わってしまわないかと心配だ」
とのこと。
どん底から、ここまで質を高めてきたのは、
社員が第一であると言う揺るぎの無い確信である。
株主も大事である。お客様も大事である。
何よりも社員を大事にする(しかも現場を)姿勢が
急速に立て直した核心である。