遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
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ゼロ・ダーク・サーテイ、

2013-02-25 10:05:59 | 雑感

ドキュメンタリータッチの映画。テーマに興味がありみてみた。

2011年5月2日に実行された、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン捕縛・暗殺作戦の裏側を、テロリストの追跡を専門とするCIAの女性分析官マヤを中心に、作戦に携わった人々の苦悩や使命感、執念を描き出していく。9・11テロ後、CIAは巨額の予算をつぎ込みビンラディンを追うが、何の手がかりも得られずにいた。そんな中、CIAのパキスタン支局に若く優秀な女性分析官のマヤが派遣される。マヤはやがて、ビンラディンに繋がると思われるアブ・アフメドという男の存在をつかむ。

という筋立てだが、最初のテロリストへの拷問シーン、自爆テロ、犯人追跡シーン、突入殺害シーンなど、かなりリアリテイに徹している。感情移入は少なく、ドラマというより記録映画のようだ。この映画は何を訴えたいのだろう?
アメリカ軍もかなりやりたいようにやっているが、国際社会と国内民主主義により制約を受けている様子が垣間見える。見方によれば反戦映画と見えないこともない。アカデミー賞の候補にも上がっているという。

007やスタローンのアクション映画とはかなり違うし、一方的なテロリスト非難映画とも違う。かなり客観的な描写に徹しており見るものの判断にまかせるところがおおい。訴えるものがかなり違うが、それはそれなりに説得力がある。視点が違って面白いと思った。エンターテイメントではなく、考えさせる映画のような気がする。

成熟した社会ではこんな映画が作られるのだろう。国際社会の実態を見た感がした。

冬眠中の乱読

2013-02-24 11:54:50 | 雑感


毎日寒くて家の中で縮こまっています。
先日、畏友W氏にお会いした時、「何か面白い本があったら貸してください」とお願いしたら、「見繕ってきました」と早速15冊くらい届けてくれた。

以前から読んでいた、佐伯泰英の時代物「新・古着屋惣兵衛」シリーズ、矢月秀作のスーパー刑事「もぐら」シリーズ、香月日輪「妖怪アパートの幽雅な日常」シリーズ、それに米沢穂信のミステリー数点。いずれも冬眠中、穴の中で読むには最適のエンターテイメントだ。

もってこいである。
ただあまりに面白いので一日一冊のペースで読んでしまう。みるみる減ってしまうのが何か残念だ。
少しペースを落とそう。

兆し

2013-02-23 13:18:11 | 雑感


相変わらずの寒さが続いております。

北海道では低温の新記録、青森では積雪の新記録と冬将軍が猛威をふるっています。
こんなに寒いと何もやる気が無くなるし、考え方も消極的になってくるようです。
外はまだ寒いのですが、陽に誘われ縁側に出てみると、なんと梅が咲きかけているではありませんか!

寒さの中でも季節は着実に進んでいるのですね。
何だか風も心なしか、少し春めいてきたように感じます。
もう少しの辛抱ですね。

春よ来い、早く来い、の歌詞に実感が伴って来ました。

雛飾り

2013-02-14 12:33:46 | 雑感



もう雛飾りの時節である。

雛飾りをすると、部屋が華やかになり、周りの空気が一挙に春めいてくるから不思議だ。

孫達が作った、紙製の雛飾りが前段を埋め、素朴な味わいを醸している。

お内裏様が一層大人びて見えてくるから面白い。

やはり日本の季節はこういうメリハリがあるのが良いところだと思う。

利権鉱脈

2013-02-13 12:23:57 | 


松村美香「利権鉱脈」小説ODA 角川書店 平成24年11月刊

この著者が第一回城山三郎経済小説大賞を受賞していた人だとは知らず、偶然亡くなった姪と同じ名前で、中央大学の出身というところまで一緒なので、何気なく手にとって見たのがきっかけだ。たしかに城山三郎に似たタッチの小説だ。

題名から見て、ODA(政府開発援助)をめぐる、商社間のどろどろした利権争いの闇を描いたものかと思ったら、城山三郎が「官僚たちの夏」で描いた日本経済の存在をかけて国策を推進する経産省官僚と、下請け開発コンサルタントのやり取りを追った「いかにも」と思わせる小説である。本省と出先機関と下請けコンサルタント会社とのやり取りは著者が青年海外協力隊で経験したものだろうか、いきいきと描かれている。決して官僚の姿を否定的に或いは醜く描いてはいない。その意味で日本の現状に少し安心する。

ストーリーは、勢力争いをする各省に翻弄される出先機関の無気力な対応、ODAの実を追い求め、少ない権限の中で各国と渡り合う主人公、もう少し広い視野で日本の存在感を示そうとする若手官僚を描く。世界の第一線ではこんな苦労をしているのだと、アルジェリアのプラントテロ事件を思い出しながら、感慨を覚える。

ここでも省益争い、出世争い、組織防衛などという本来の役務とは縁遠い壁が第一線で活躍する人たちを悩ます。小説ではドラマチックなストーリーがあるが、現実には無味乾燥な障害になって、若い使命感に燃える人材を腐らせているのだろうな、ODAを形骸化しているのだろうなと推測させる。

行政改革に本気で取り組まないと、こうした組織的な人材潰しを政治は助長して居るような気がしてならない。復権した自民党は、利権の確保には熱心だが、中国の勢力伸長、欧米の退潮、シュールガス、レアメタルの重要性など、世界の資源の取り合いが激しくなる中で闘っている商社、支援する外郭団体の方向づけは大丈夫なのだろうか。

夕焼けだんだん

2013-02-12 18:36:20 | 雑感


「夕焼けだんだん」という階段があるのをご存知か。

JR日暮里駅西口から御殿坂を登ってゆき、やがて谷中銀座へ向かって下る階段がそれである。
何故「夕焼け」かというとここに西日が当たるというだけでなく、日暮里は童謡「夕焼け小焼け」の作者中村雨紅が教職をしていた小学校が2つもあることと無縁ではないと思う。

結構広い階段で、階段脇には猫がのんびり日向ぼっこをしている。まさに昭和初期の風情の店が沢山並んでいる。東京はスカイツリーだけでなく、こういうところにも人が集まる。老人だけでなく若い二人連れ、若者同士も結構多い。

谷中銀座はまるでお祭りのような人出だ。そしてあちこちに行列ができている。覗いてみたら、メンチカツ、コロッケ、串揚げなどの惣菜店が多い。店頭に撮影禁止などと表示してある。単なる惣菜屋さんがどうしてだろう?カメラマンがトラブルを起こしたのだろうか。

とにあれこうした下町は何故か楽しい。ぶらぶら歩きにはもってこいである。


排出権商人

2013-02-06 23:41:37 | 


黒木亮「排出権商人」講談社 2008年作品

CO2排出権の売買をビジネスにしようとする世界の物語。
語り口は幸田真音、高杉良、などのビジネス小説とほぼ同じである。中国、マレーシアなどの排出量削減プロジェクトを手がけると同時に、削減排出権を売りさばくビジネス。
国連の外郭機関での認証が必要がミソで、そこで認証を得るためのコンサルタントが存在する。ここらあたりはノンフィクションの様相で、登場人物とのやり取りなどは、フィクションだろうが、中国、マレーシアの国柄の違いなどはよく描けている。
そこに、株の空売り集団が絡み、一企業の存在をかけて、個人と組織が動いてゆくと言う小説だ。

やたらに横文字(例えばCDM、DOE、UNFCCCなど)略語が出てくるのには閉口するが、理事会での各国代表のやり取り、中国企業との交渉経緯などは、いかにも、という情景で、よく描けていると思う。
京都会議の決定は、日本に排出権を買わそうとする仕組み(アメリカ、中国はいち早く脱出した)ではないか、という投げかけや、ISOなどのように、この制度で儲けようとする欧州勢の企みではないかと言う指摘も面白い。
こうして見ると日本はずいぶんお人好しの国に思えてくる。スキーの複合競技で日本勢が好成績を上げ続けたら、ルールを変えて、阻止をしてきたヨーロッパ勢のしたたかさを思い出す。

地球温暖化自体が地球の周期的循環で、あと数年で今度は寒冷化の周期に入るという学説もあるそうだ。単純な企業小説の域を超えて、国際社会の裏面をケレン味なく捉えた作品といえる。