遅いことは猫でもやる

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追悼集ほぼ完成

2012-05-29 17:05:57 | 雑感

昨年11月亡くなった姉の追悼集がほぼ出来上がった。
「ほぼ」というのは、巻頭の遺影の写真は自ら一枚一枚手張りをしたいという、義兄の思いが仕事として残っているためである。

全体の表装は故人が好きで、着物にも多かった、淡い朱色を基調として、柔らかく仕上がっている。写真やイラストも程よく配置され、読みやすい追悼集になったかと思う。
装丁、本文レイアウトは、さすがプロだと云われるクイックス随一の編集者が手がけてくれたので、ほぼイメージ通りに出来上がった。義兄が丹念に遺品の中から探してくれた、写真や手紙が随所に生かされている。

だが、そのことは勿論だが、内容が素晴らしい。親戚、友人、同僚、知人、その他の関係者が、故人とこんなにも深く、親密につながっていたかとしみじみ感じさせてくれる、一文が数々寄せられている。
エピソードは様々だが、さっぱりしている、正義感が強い、積極的である、センスが良い、思いやりが深い、共感してくれるなどの評価は一定である。

71歳という享年は現在の平均余命からしては少し早いとは思うが、彼女は精一杯命を燃やしてきたことがよく分かる。多くの人の胸の中に生き続けている。

この追悼集の核心は、やはりご主人(義兄)の妻に対する思いの深さであろう。彼女を偲ぶ短歌、文章は国語教師である事を差し引いても胸に迫るものがある。夫婦の信頼感、共に生きる生き方について、しみじみと、時には「女々しいぞ」と思うほど深く語っている。
結婚式に若い二人がご両親に感謝の文を朗読するという場面によく立ち会ってきたが、ある意味よく似ている。この追悼集は、故人の生きてきた意味を確認する素晴らしい記念碑である。
こんなにも多くの人たちの心のなかに生き続け、ひときわ深く御主人に愛された姉は、短くはあったが幸せな人生だったと思わざるをえない。

こんなふうに送られた、姉はきっと天国に行っていることだと思う。冥福を改めて祈る。

じっくりと味わう本

2012-05-22 06:54:39 | 


「ながい坂」山本周五郎 新潮文庫

義兄が薦めて貸してくれた本。久々に生き方について深く考えさせられる本に出会った。

主人公は若いころ身分の上の家から理不尽な目に合わされ、一念発起をして文武両道に励む。下級武士が次第に這い上がってゆくさまを描いたものだが、華々しい立身出世物語ではない。主人公は剣術も一門の人物であるが、胸のすくような立ち回りがあるわけでもない。
人生とは重い荷を背負いながい坂を上るが如し、といった家康の言葉を体現している。

大言壮語するのではなく、目の前の課題を着実に解決してゆく姿勢を藩主に見出される。志は勿論あるが、自分の運命を大きく変えようと言うようなものではなく、下級武士の惨めさ、不合理さに抗うというほどの志である。現実の人生もこんなところではないかと思わせる著者の筆致である。女性との関わり方はいかにもと感じさせ、著者の不得意な分野ではないかと思われる。不自然にもてすぎであり、都合良く運びすぎに見える。また、色事の描写も何やらぎこちない。

しかし主人公の成長過程はなるほどと思わせ、葛藤や孤独に苦しむさまは共感が持てる。次第に視野が広く、相手の気持や立場が理解できるようになってくるのは自然だ。血沸き肉踊る華々しい筋書きではないが、諄々と胸の中に入ってくる。三河の人間には理解しやすい生き方のように思える。

こんな不況下でも若者の転職が目立つという。志と違ったりややりがいを感じないのが原因だそうだが、周五郎に聞かせたら「習うより慣れろ」と云われそうな気がする。久々に人の生き方について考えさせられる本に出会った。

の~んびり観測

2012-05-21 15:39:28 | 雑感

本日のメーンエベント金環食を見ようと、朝6時には起きて、山の家の前の草地に椅子を持ち出し、東の空を注目。

ここ蓼科はお陰様でピーカンの日食日和?
右上から欠け始め静かに太陽と重なる部分を大きくしてゆく。7時34分頃金環食出現。辺りは気持ち薄暗くなり、肌寒さを感じた。鳥は何種類かがやかましく鳴き、ちょっと気味が悪い。

長男のお嫁さんに貰った観測眼鏡が大活躍。朝のコーヒーを片手に、の~んびり5月の戸外を堪能しました。これで生涯見ることはないでしょう。皆さんはどうだったでしょうか?


太陽のトマト麺

2012-05-19 20:52:05 | 雑感
錦糸町にラーメン屋が集結しつつあるのか?

一週間前のことだが、お昼に駅前を歩いたが200mくらいの所に5軒もの麺屋が進出している。つけ麺あり、和風醤油ラーメンあり、昔風の中華そばありそれぞれ個性を出している。

そのなかで、気になった「太陽のトマト麺」に入った。またしても本店の表示にひかれたのだ。
果たしてラーメンとトマトが合うものか、どんなふうにコラボしているのか、大いに興味をそそられた。



11時半頃に店に入ったのだが、12時ころにはすでに行列ができる人気ぶり。
チーズ麺が人気No1らしいが、私はピリ辛のナスを注文。


私が注文したピリ辛のナス


一番人気のチーズ


厨房の中では手際よく若いお兄さんが、次々と注文の品々を仕上げていく。別のお兄さんは餃子や、ご飯(白飯にふりかけをかけた「らーりぞ」=ラーメンリゾットの略か、というらしい)を盛りつけている。ほどなく出来上がってきた。一口食べてウマイ!と唸った。スープとトマト味が見事にマッチ。ピリッと辛味が効いた味が細麺に絡み付いて、もう病みつきになる。

まさしくラーメンであるが、イタリアンのような気もする。
他の人を見習って私も「らーりぞ」を頼み、残しておいたスープに入れて食べる。これが又イケる。名物と言われる唐揚げも食したが、トマト麺があまりにウマイので殆ど印象に残らないくらいだった。

一緒に行った長男にご馳走になったのも旨さに拍車をかけたのだろう。すっかりハマッてしまい、大満足でお店を出た。是非またこよう。

一週間前に行ったのだが、思い出すといまだに唾が出てくる。





日本美術の至宝

2012-05-16 09:44:59 | 雑感

国立博物館 新館

旧館 歴史を感じさせる

これも旧館?落ち着いた佇まいだ。

上野公園の一角、東京国立博物館で開催ししているボストン美術館の特別展示を見に行った。
金曜日は午後8時まで開催しているとのこと。さすが東京である。

旧館の佇まいはそれだけでも芸術品だと思われるもので、展示会は奥にある新館で開催されていた。

そこではフェノロサに師事した岡倉天心が選び、収集した仏画の数々が展示されている。まさに至宝といえる絵画の数々が展示されている。
たしかに日本でも「これだけは」と思われるものが、続々と展示され、吉備真備絵巻、平治物語絵巻が展示されている。国宝級の展示物の最後を飾る光琳の装飾画、今回はじめて見た曾我蕭白は圧巻であった。確かに彼らは天才だ。その迫力に圧倒された。その他長谷川等伯、狩野探幽、狩野永徳たちの作品も掲示されているが、光琳、蕭白の迫力の前には及ばない。

ホンの時間つぶしと思って鑑賞したが、何のなんの、最後になってその迫力に圧倒された。皆様ももしお時間が許すなら鑑賞をお薦めする。名古屋のボストン美術館では味わえなかった感動を味わいながら帰途についた。

老舗 鳥料理

2012-05-15 12:23:36 | 雑感

のれんの隅に「総本店」とある。何軒かの支店があるのだろう。

名古屋には著名な鳥料理屋が沢山あるが、東京三ノ輪駅の近くの「弁天」という店で鶏調理を頂いた。小ぢんまりした店で奥の座敷に案内される。磨かれた床が、期待できそうと予感させられた。ハツ、レバー、セセリ、胸、など5種10本の串焼き盛り合わせ、コラーゲン鍋、親子丼、などを注文。串焼きはそれぞれレアーな焼き加減で各部位の風味を生かしてあり、なかなかの料理の腕である。生ビールの後、ハイボールを頼んだが、それが山崎のハイボールとは恐れいった。たしかにうまいが、もったいない気もする。

その他サラダ2種、函館ポテト(じゃがいもとイカ塩辛を鉄板にのせたもの)、レバーの燻製、レバーのパテ、などを注文。


真ん中の丸い塊がコラーゲン

シメと思って注文したコラーゲン鍋もまろやかでいける。後の雑炊は鍋の旨さを逃さずいける。まだまだお腹に入りそうだと、親子丼を注文、名古屋コーチンの旨さが生きており、絶品と言えるが、丼にしてはちと高い。

全般に我々庶民の財布、鳥料理にしては少し高めであるが、それなりの腕は伺え、まずまず納得できる。ただ大きめの親子丼2300円は、おいしいが、少し高いとは思う。いや、少し高いと思うが、おいしい。といったほうが良いか。


親子丼 傍の吸物椀と比べると大きさがわかる。