カメラメーカー、勝ち組・負け組み

Yahoo!のニュースを見ていたら、気になるヘッドラインが目に飛び込んできた。

「オリンパスなど老舗3社 デジカメ事業立て直し リストラ、新機種…復権急ぐ」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050604-00000018-san-bus_all

 「オリンパスなど老舗カメラ三社」とは、オリンパスペンタックスコニカミノルタのことであり「ニコンキヤノンは、高価な一眼レフ型を伸ばして収益を確保」しているというのだ。それに対してオリンパス、ペンタックス、コニカミノルタの3社はいずれも比較的廉価なコンパクトタイプが中心であり、デジタル方式なってから参入した電機メーカー各杜との価格競争となり、1年間で10~30%も下落したことが赤字の要因となったようである。

 いずれにしても、カメラ5社の勝ち組、負け組みがはっきりしたと言うことだろう。カメラ5社と書いたが、一般の消費者にはカメラメーカーとして馴染みの会社ではあるがその実態はと言えば、ニコンは半導体製造装置の大手であるし、キヤノンはご存じの通りコピー機、プリンタで多くのシェアを持っている。オリンパスは医療用機器のメーカーでもあるし、コニカミノルタは経営統合前のミノルタからのOA部門引き継いでいる。ペンタックスもまたカメラのみに留まらない総合光学機器メーカーである。

 ただ面白いのは、先に書いた2社がカメラメーカーとして、フィルムの時代から確固としたブランドイメージを確立しつつカメラ以外の分野にも積極的に手を伸ばし、現在ではむしろそちらの分野で多くの利益を上げながら、カメラ部門でもしっりと利益を確保しているのとは対照的に、先の報道で名前をあげられた3社はカメラメーカーとしてはいずれも所謂2番手以降のメーカーとして一般には認知され、さらにカメラ部門が他部門の利益を食いつくし赤字となっていることである。

 かつてカメラはカメラ屋さんが作るものであり、他の業界からの参入が極めて少ない分野であった。ところが、デジタルカメラが出現、大手の電機メーカーがこぞってこれに参入したことで、長年5社(富士写真フィルムを入れて6社か)で安定的に分け合っていたシェア、勢力図を一気に書き換えるに至っている。

 3年前にコニカとミノルタが経営統合しカメラメーカーが淘汰の時代に入ったことを一般消費者にも印象付けたが、更にこれからの数年、旧来からのカメラメーカーと新参の電機メーカーのシェアと利益の争奪戦が繰り広げられることになるのだろう。3年後の勢力図がどうなっているのか、楽しみである。

 いつもながら、今日の話題とは何の関係もない1枚。東京都下某所にて。

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