FIAに問題あり!

 まったく酷いレースだった。と言うより、とてもレースとは思えない代物であった。レースは観客があってこそ成り立つものだ。なのにだ、たった6台しかスターティンググリッドに着かない、観客を無視したレースにしてしまった責任のすべてはFIAにある。

 今シーズンのタイヤに関するレギュレーションに問題があることは確かである。パフォーマンス重視の余り、耐久性・信頼性に欠けるタイヤを作ってきたタイヤメーカーにも問題がある。しかしだ、問題があったにしても20台すべてのマシンがスターティンググリッドに着くことができるための妥協点を見つけられなかったFIAにこそ最大の責任がある。このような異常な形で開催されたアメリカGP以降、今シーズンの残りのレースを正常に運営してゆけるのかどうか、甚だ心許無い。新たなリーグ立ち上げの動きが顕在化してくることだろう。

 今回のGPで唯一の見所となりそうだったミヒャエルとルーベンスのバトルが、事実上のチームオーダーによってついえたことも今後に尾を引きそうな問題である。復活の狼煙を上げた途端のお家騒動はいただけな。フェラーリらしいと言えばそれまでだが。

 ともあれ北米2連戦は終了し、全19戦で争われる今年のF1は後半戦へと折り返す。そしてGPは再び舞台をヨーロッパへと移し、フランス・ドイツの2連戦である。今回の2つの問題が今後のレースにどう影響してくるのか、フェラーリの1-2により拮抗してきたドライバーズ・コンストラクターズ両ポイント争いとあいまってますます目が離せなくなってきた今年のF1GPである。
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