フィルムの話

 に出かけた帰りに、昨日の夜にネット経由で注文しておいたプリント受け取りのために近所の写真屋さんに寄った。プリントを受け取り、久しぶりにフィルムで撮った写真の現像を頼んでいる時に、カウンターの上に「FILM&IMAGE」という小冊子が置いてあるのに気が付いて一部いただいて帰って来た。

 家に帰って開いてみると、それは富士写真フィルムが9月に創刊するフィルムを使った写真のPR誌の創刊準備号であった。何といいタイミングなんだろう。

 フィルムでは国内で70%、世界でもコダックと並ぶ30%のシェアを持つフジではあるが、デジタル方式カメラに押されフィルム需要の長期低落傾向には危機感を持っているのだろう。片方では新型のデジカメを次々と市場に投入しながら、同時にフィルム需要の掘り起こしに躍起になっているわけである。

 2002年には世界の年間出荷台数が既にデジタル方式カメラ2,450万台、フィルム方式カメラ2,360万台とシャアが逆転しているから、現在のシェアは既にデジカメが圧倒的多数という状況だろう。

 昨年Nikonが伝統の「F一桁」の最高機種F6を発売したが、その折に「F6はハイエンドアマチュア用として設計した」と言うようなことが何かに書かれているのを目にした。Nikonの「F一桁」と言えば世界中のプロ写真家・カメラマンが使うカメラとして絶対的な信頼を一身に受けてきたカメラである。それがF6に至ってアマチュア用だというのだ。ではプロは何を使うのか。デジタル方式のD2Xだ。

 カメラメーカーに、こうはっきりと行く先を示されては流石にフィルムメーカーも驚いたことであろう。アマチュアがデジタルになってもプロがフィルムなら、フィルムの、そしてフィルムを使うカメラのプレステージは揺るがない。たとえボリュームは小さくても一定の量のフィルムは消費され、上昇志向のアマチュアはフィルムに憧れを持ち続ける。だかしかし、だ。

 さて、話を「FILM&IMAGE」に戻そう。創刊準備号は表紙とも16ページだが9月に発行される第1号は24ページとなり、年4回宅配で年間購読料は1,500円だという。ちょっと高いな。

 創刊準備号の中で興味をひいたのは「モノクロの世界へ、はじめの一歩」と題した見開き2ページの記事。今でもモノクロームのフィルムを売っているのだ(当たり前か)。郷秋<Gauche>が写真に没頭した学生時代は勿論モノクロで、フィルムはもっぱらコダックのTRI-Xだった。ポートレートにはイルフォードが言いと聞いて一度だけ使ったことがあったけれど、それ以外はずっとTRI-X 100ft巻きの缶入りを買ってきて使っていた。また話が横道に逸れた。

 この記事の中で、現在はモノクロの現像を受けてくれる店が少ないと書いてある。果たして本当だろうか(本当なんだろうな)。さらに、自分で現像するのも「手だ」と書いてある。確かに。プリントは暗室がないと出来ないが、フィルムの現像だけなら暗室がなくても出来る。ステンレス製の現像タンクもまだ持っている。ダークバッグさえあれば手軽に現像が出来るじゃないか。

 小冊子の話からフィルムを使うカメラ・写真の話になってしまいましたが、この話は「次回に続く」としたいと思います。お楽しみに。

 今日の「4枚」はこちらでご覧ください。

恩田Now 
コメント ( 0 ) | Trackback (  )