唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
再びF1 アメリカGPについて
F1アメリカGPがレースと呼ぶのも憚れる程の酷いものであったことは、昨日書いた。だけれど、郷秋<Gauche>は今日も書きたい。今日はタイヤ問題ではなく、フェラーリチームとその二人のドライバーのレースマナーについてだ。
まずはチームオーダーの問題だ。あからさまなチームオーダーが出されることによりレースの面白みが大いにスポイルされることから、数年前にチームオーダーが禁止となった。面白みが大いにスポイルされる以前に、そもそもがスポーツマンシップにもとる行為、つまり八百長だ。
チームオーダーとは、例えば、フェラーリのNo.2ドライバーであるルーベンスはNo.1ドライバーであるミヒャエルを(彼のマシンがトラブルを抱えているなど明らかに遅い場合を除いて)パスしてはならない、というチームからの命令のことだ。フェラーリチームは伝統的に二人のドライバーに序列を付け、かつ、このチームオーダーを出すことで有名だ。
チームによってはこういった習慣のないところもある。例えばウイリアムズ。古い話にはなるがピケとマンセルがチームメイト同士で熾烈な戦いを繰り広げたことはつとに知られる。またセナとプロストを擁した絶頂期のマクラーレン・ホンダチームもまたジョイントNo.1の二人のドライバーを存分に競わせたことで有名だ。もっともこちらは88年の鈴鹿、シケインで同士討ちとなるなど、余り上手くいかなかったことでも知られるが。
さて、今回のアメリカGPにおけるフェラーリのチームオーダーはこういうものだった。
48周目だっただろうか、ピットインしたミヒャエルが本コースに出るとちょうどそこに最初のピットインでミヒャエルに先行していたルーベンスが差し掛かるところだった。辛くも接触こそは免れたものの弾きだされたルーベンスはグリーン上を走りコースへと戻る。コースに戻るや速いペースでミヒャエルを追い、ついにはコンマ5までその差を詰め最終コーナー手前ではマシンを右に寄せオーバーテイクのチャンスを伺う。これ以上長くスリップストリームに入っていると冷却水温が上がるのではないかと心配になる頃、チームからラジオを通してオーダーが入る。「二人揃ってゴールすることを望んでいる」と。いかにもF1最古参チームらしい、実に老練かつ含蓄あるオーダーだ。
このオーダー以降、ルーベンスはミヒャエルとのギャップを2秒程に保ちチェッカード・フラッグを受け、二人は目を合わせることもなくパルクフェルメからポディウムに向かう。
結果は勿論今季初のフェラーリの1-2フィニッシュ。いかにタイヤ問題による「自主的リタイヤ」があったとしても、そのことの責任はフェラーリにはない(フェラーリが反対しなければ、本コース上に臨時のシケインを設けることで20台のレースが実現していた可能性がなかったわけではないが)。
異常なレースであったことは確かだが、彼らにやましいことがなければ互いの健闘を称えあい、今季初の1-2フィニッシュをそれなりに祝えたはずだ。そして、初めてのシーズンの初めてのポイント、初めてのポディウムと嬉しくないわけがないモンテイロをシャンパンファイトで祝福してあげるのも、大先輩である二人の義務であったはずだ。コース上のマナー、勝者として相応しい表彰台でのマナーを、F1最古参のチームであるフェラーリが忘れてしまったのだろうか。
繰り返すが、今回のアメリカGPは異常なレースであった。しかし、それを更に後味の悪いものとしたのはフェラーリチーム、そしてその二人のドライバーである。メディアはこぞってミシュランタイヤ勢の14台が自主リタイヤしたことを書き立てるが、出走僅かに6台という前代未聞のレースの中で行われたこと、そして表彰台の上で行われなかったことこそが、書かれるべきである。
チームオーダーを出してはならないことに加え、「3位までの入賞者はプディウムにおいてシャンパンファイトを演じなければならない」と、レギュレーションで定めることを、郷秋<Gauche>はFIAに提案する。
今日の1枚は、またまた紫陽花。まだまだ続きます。
まずはチームオーダーの問題だ。あからさまなチームオーダーが出されることによりレースの面白みが大いにスポイルされることから、数年前にチームオーダーが禁止となった。面白みが大いにスポイルされる以前に、そもそもがスポーツマンシップにもとる行為、つまり八百長だ。
チームオーダーとは、例えば、フェラーリのNo.2ドライバーであるルーベンスはNo.1ドライバーであるミヒャエルを(彼のマシンがトラブルを抱えているなど明らかに遅い場合を除いて)パスしてはならない、というチームからの命令のことだ。フェラーリチームは伝統的に二人のドライバーに序列を付け、かつ、このチームオーダーを出すことで有名だ。
チームによってはこういった習慣のないところもある。例えばウイリアムズ。古い話にはなるがピケとマンセルがチームメイト同士で熾烈な戦いを繰り広げたことはつとに知られる。またセナとプロストを擁した絶頂期のマクラーレン・ホンダチームもまたジョイントNo.1の二人のドライバーを存分に競わせたことで有名だ。もっともこちらは88年の鈴鹿、シケインで同士討ちとなるなど、余り上手くいかなかったことでも知られるが。
さて、今回のアメリカGPにおけるフェラーリのチームオーダーはこういうものだった。
48周目だっただろうか、ピットインしたミヒャエルが本コースに出るとちょうどそこに最初のピットインでミヒャエルに先行していたルーベンスが差し掛かるところだった。辛くも接触こそは免れたものの弾きだされたルーベンスはグリーン上を走りコースへと戻る。コースに戻るや速いペースでミヒャエルを追い、ついにはコンマ5までその差を詰め最終コーナー手前ではマシンを右に寄せオーバーテイクのチャンスを伺う。これ以上長くスリップストリームに入っていると冷却水温が上がるのではないかと心配になる頃、チームからラジオを通してオーダーが入る。「二人揃ってゴールすることを望んでいる」と。いかにもF1最古参チームらしい、実に老練かつ含蓄あるオーダーだ。
このオーダー以降、ルーベンスはミヒャエルとのギャップを2秒程に保ちチェッカード・フラッグを受け、二人は目を合わせることもなくパルクフェルメからポディウムに向かう。
結果は勿論今季初のフェラーリの1-2フィニッシュ。いかにタイヤ問題による「自主的リタイヤ」があったとしても、そのことの責任はフェラーリにはない(フェラーリが反対しなければ、本コース上に臨時のシケインを設けることで20台のレースが実現していた可能性がなかったわけではないが)。
異常なレースであったことは確かだが、彼らにやましいことがなければ互いの健闘を称えあい、今季初の1-2フィニッシュをそれなりに祝えたはずだ。そして、初めてのシーズンの初めてのポイント、初めてのポディウムと嬉しくないわけがないモンテイロをシャンパンファイトで祝福してあげるのも、大先輩である二人の義務であったはずだ。コース上のマナー、勝者として相応しい表彰台でのマナーを、F1最古参のチームであるフェラーリが忘れてしまったのだろうか。
繰り返すが、今回のアメリカGPは異常なレースであった。しかし、それを更に後味の悪いものとしたのはフェラーリチーム、そしてその二人のドライバーである。メディアはこぞってミシュランタイヤ勢の14台が自主リタイヤしたことを書き立てるが、出走僅かに6台という前代未聞のレースの中で行われたこと、そして表彰台の上で行われなかったことこそが、書かれるべきである。
チームオーダーを出してはならないことに加え、「3位までの入賞者はプディウムにおいてシャンパンファイトを演じなければならない」と、レギュレーションで定めることを、郷秋<Gauche>はFIAに提案する。
今日の1枚は、またまた紫陽花。まだまだ続きます。
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