唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
デジタル方式一眼レフカメラ、秋の陣
夏のボーナスシーズンに前後して、各社からお手頃価格の新製品がどどっと出て、エライ勢いで売れているらしいデジタル方式一眼レフですが、秋から冬のボーナスシーズンにかけて再び新製品ラッシュとなりそうな情報が飛び込んできています。
夏前にどっと出たのはデジタル方式一眼レフの裾野を広げる入門機でしたが、秋に出るのはメーカーにとってより採算性が良い中・高級機種になるというのがもっぱらの噂。入門機は実売価格が標準ズームレンズ付きで10万円前後のものを言いますが、秋に出てきそうな中・高級機種はボディーのみで実売価格が20~30万円程度のもののようです。
先に各社からお手ごろ価格の新製品がどっと出たと書いたけれど、この各社とはニコン、キヤノン、ペンタックス、オリンパス、コニカミノルタの5社のこと。そして秋に中・高級機種を出すのはこのうちのニコンとキヤノンの2社でしょう。多分。なぜこの2社が、すでに持っている中・高級機種のラインナップを更に充実させるのかと言えば、実はこんな事情があるからなのです。
今年1月に、オリンパスと松下電器産業がレンズ交換式デジタル一眼レフカメラシステムの規格「フォーサーズシステム規格」に準拠したデジタル一眼レフカメラの共同開発に合意、2006年春には松下製のデジタル一眼レフカメラをお披露目すると発表しました。さらに7月にはコニカミノルタとソニーが、「αマウントシステム」を採用したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラの共同開発への合意を発表。
つまり、これまでフィルム方式、デジタル方式を問わず一眼レフカメラでは先の5社が分け合っていたマーケットに家電大手のソニーとパナソニックが参入して来るのです。その企業規模を考えた時、特にニコンにとっては大きな脅威ですね。
一眼レフカメラを作ることにおいてはニコン、キヤノンの2社はソニーやパナソニックに対して圧倒的なアドバンテージを持っているわけですが、新参2社も圧倒的な強さのブランドと技術力を擁していますから、「勝ち組カメラメーカー」(注:1)のニコン、キヤノンとしてもうかうかしていられないわけです
面白いのがソニーやパナソニックがデジタル方式一眼レフカメラに進出するのにあたって、単独ではなくオリンパス、コニカミノルタという、老舗カメラメーカーと手を組んだ点です。いかにソニーやパナソニックが高い技術力を持っていたとしても単独では一眼レフカメラに進出できないのは、実はボディー(カメラ本体)の発売と同時に実に沢山のレンズや各種のアクセサリーを用意しなければならないからなのです。
一眼レフカメラはその特色を十二分に生かすために、事実上すべてのカメラがボディーとレンズが分離するレンズ交換方式を取っています。この2つを合体させる部分が「マウント」と呼ばれ、メーカー毎に独自の規格で作られています。つまりニコンのボディーにはキヤノンのレンズを装着することは出来ないのです。ニコンのボディーにはニコンのレンズを、キヤノンのボディーにはキヤノンのレンズを使わなければならないのです。
一眼レフカメラのユーザーは写したいと思う被写体をより的確に表現するために、その都度取り替えて使うレンズを何本か持っているのが普通ですから、カメラを買い換える時にもそれまでに購入したレンズが無駄にならないように、多くの場合それまでのボディーと同じメーカーのボディーを購入するのです。メーカー毎にマウントが異なることにより、メーカーはユーザーを「囲っておく」ことが出来るのです。
ですからソニーやパナソニックと言えども、まったく新規のマウントを作っても、現行5社のユーザーを奪うのは大変難しいということになるわけです。そこで、「負け組カメラメーカー」(注:1)と組んで進出となったわけですね。
さて、前置きが長くなりましたが、そんなこんなで新参2社が今すぐに中・高級機種まで手がけることはないと思いますが、当然入門機種ではニコンやキヤノンもある程度(あるいは相当)シェアを食われる可能性があるわけですね。そこで、ニコン、キヤノンとしてもその前に最新の中・高級機種を投入しデジタル方式一眼レフカメラ、フルラインナップメーカーとして確固たるポジションを確立しておきたいわけです。
もうひとつ注目したいのはソニー、パナソニックと提携した、コニカミノルタとオリンパスがどこまでシェアを伸ばせるのかです。ソニー、パナソニックがどういった価格帯の商品を出してくるのかにもよりますが、コニカミノルタとオリンパスの2社が、レンズと一眼レフ固有のメカ部分をソニー、パナソニックに供給する「下請け会社」に成り下がってします可能性も多分にあるなと、郷秋<Gauche>は見ております。そうそう、これまで話題にしなかったペンタックスがどういう戦略に出て来るのかも注目ですね。
まっ、郷秋<Gauche>としては今秋からのデジタル方式一眼レフ商戦についてはこのように見ているわけでありますが、果てさてどんな新製品が登場して、老舗5社プラス新参2社の攻防はいかなる結果になりますか、いかまら楽しみです。
注1・2:「カメラメーカー、勝ち組・負け組み」については6月4日の項を参照してください。

今日はモノクロを1枚。[ 撮影:すみよしの森 ]
夏前にどっと出たのはデジタル方式一眼レフの裾野を広げる入門機でしたが、秋に出るのはメーカーにとってより採算性が良い中・高級機種になるというのがもっぱらの噂。入門機は実売価格が標準ズームレンズ付きで10万円前後のものを言いますが、秋に出てきそうな中・高級機種はボディーのみで実売価格が20~30万円程度のもののようです。
先に各社からお手ごろ価格の新製品がどっと出たと書いたけれど、この各社とはニコン、キヤノン、ペンタックス、オリンパス、コニカミノルタの5社のこと。そして秋に中・高級機種を出すのはこのうちのニコンとキヤノンの2社でしょう。多分。なぜこの2社が、すでに持っている中・高級機種のラインナップを更に充実させるのかと言えば、実はこんな事情があるからなのです。
今年1月に、オリンパスと松下電器産業がレンズ交換式デジタル一眼レフカメラシステムの規格「フォーサーズシステム規格」に準拠したデジタル一眼レフカメラの共同開発に合意、2006年春には松下製のデジタル一眼レフカメラをお披露目すると発表しました。さらに7月にはコニカミノルタとソニーが、「αマウントシステム」を採用したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラの共同開発への合意を発表。
つまり、これまでフィルム方式、デジタル方式を問わず一眼レフカメラでは先の5社が分け合っていたマーケットに家電大手のソニーとパナソニックが参入して来るのです。その企業規模を考えた時、特にニコンにとっては大きな脅威ですね。
一眼レフカメラを作ることにおいてはニコン、キヤノンの2社はソニーやパナソニックに対して圧倒的なアドバンテージを持っているわけですが、新参2社も圧倒的な強さのブランドと技術力を擁していますから、「勝ち組カメラメーカー」(注:1)のニコン、キヤノンとしてもうかうかしていられないわけです
面白いのがソニーやパナソニックがデジタル方式一眼レフカメラに進出するのにあたって、単独ではなくオリンパス、コニカミノルタという、老舗カメラメーカーと手を組んだ点です。いかにソニーやパナソニックが高い技術力を持っていたとしても単独では一眼レフカメラに進出できないのは、実はボディー(カメラ本体)の発売と同時に実に沢山のレンズや各種のアクセサリーを用意しなければならないからなのです。
一眼レフカメラはその特色を十二分に生かすために、事実上すべてのカメラがボディーとレンズが分離するレンズ交換方式を取っています。この2つを合体させる部分が「マウント」と呼ばれ、メーカー毎に独自の規格で作られています。つまりニコンのボディーにはキヤノンのレンズを装着することは出来ないのです。ニコンのボディーにはニコンのレンズを、キヤノンのボディーにはキヤノンのレンズを使わなければならないのです。
一眼レフカメラのユーザーは写したいと思う被写体をより的確に表現するために、その都度取り替えて使うレンズを何本か持っているのが普通ですから、カメラを買い換える時にもそれまでに購入したレンズが無駄にならないように、多くの場合それまでのボディーと同じメーカーのボディーを購入するのです。メーカー毎にマウントが異なることにより、メーカーはユーザーを「囲っておく」ことが出来るのです。
ですからソニーやパナソニックと言えども、まったく新規のマウントを作っても、現行5社のユーザーを奪うのは大変難しいということになるわけです。そこで、「負け組カメラメーカー」(注:1)と組んで進出となったわけですね。
さて、前置きが長くなりましたが、そんなこんなで新参2社が今すぐに中・高級機種まで手がけることはないと思いますが、当然入門機種ではニコンやキヤノンもある程度(あるいは相当)シェアを食われる可能性があるわけですね。そこで、ニコン、キヤノンとしてもその前に最新の中・高級機種を投入しデジタル方式一眼レフカメラ、フルラインナップメーカーとして確固たるポジションを確立しておきたいわけです。
もうひとつ注目したいのはソニー、パナソニックと提携した、コニカミノルタとオリンパスがどこまでシェアを伸ばせるのかです。ソニー、パナソニックがどういった価格帯の商品を出してくるのかにもよりますが、コニカミノルタとオリンパスの2社が、レンズと一眼レフ固有のメカ部分をソニー、パナソニックに供給する「下請け会社」に成り下がってします可能性も多分にあるなと、郷秋<Gauche>は見ております。そうそう、これまで話題にしなかったペンタックスがどういう戦略に出て来るのかも注目ですね。
まっ、郷秋<Gauche>としては今秋からのデジタル方式一眼レフ商戦についてはこのように見ているわけでありますが、果てさてどんな新製品が登場して、老舗5社プラス新参2社の攻防はいかなる結果になりますか、いかまら楽しみです。
注1・2:「カメラメーカー、勝ち組・負け組み」については6月4日の項を参照してください。

今日はモノクロを1枚。[ 撮影:すみよしの森 ]
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