F1にCosworth V8復活!

 昨日は2006年シーズンのドライバーについて書いたが、今日は来シーズンのエンジンについてちょっとだけ。

 1980年代末に余りにも強大なパワーを備えたターボエンジン(当時最強と言われたホンダ・ターボは僅か1.5Lから1,500馬力を搾り出したと言われる)が余りにも危険であるとして禁止されて以来、長い間3,000cc V10(V12からV10に移行)自然吸気エンジンだけで戦われてきたF1のエンジンが、2006年には大きく変わる。

 来期は排気量が2,400ccのV8エンジンのみが使用可となる。今期の3000cc V10エンジンは19,000回転近くまで回わり900馬力ものパワーを引き出しているが、排気量が20%ダウンすることを考えると来シーズン開幕戦ではおおよそ700馬力程度の出力になるものと思われる。

 フェーラーリ、ルノー、BARホンダ、トヨタ、ザウバー改めBMWは勿論自社製のV8エンジンで参戦となる。マクラーレンはメルセデス、そしてレッドブルにはフェラーリ製のエンジンが搭載されることになっている。

 注目は数年来BMWエンジンを搭載してきたウイリアムズチームである。そのウイリアムズが昨日も書いたように来期はコスワースエンジンを搭載することを正式に発表したのである。コスワース、何とも懐かしい名前である。もっとも今シーズンもレッドブルとミナルディの2チームがコスワースのV10エンジンで走っているから珍しくもないと思われるかも知れないが、来シーズンには20年振りにコスワースのV8エンジンが登場する。

 コスワースのV8と言えば、古くからのモータースポーツファンならすぐにDFV(Double Four Valveの略)を思い浮かべるだろう。DFVは1967年から83年までの16年間で155勝を上げたレーシングエンジンの名作中の名作。

 このDFVは67年には9,000回転405馬力でデビューした。年々改良が加えられた結果83年にはショートストローク使用のDFYが11,000回転520馬力を引き出すまでに熟成が進んだが、ここで注目したいのはDFYの23年後に登場する2400cc V8エンジンはシーズン当初から700馬力程度が見込まれる点だな。

 どのチーム、エンジンサプライヤからも来期用エンジンのスペックの詳細は公表されていないので想像の域は出ないが、23年前に比べて同じV8でありながら20%少ない排気量からおおよそ35%増しの出力を引き出すのだから、凄い。DFYが1L当たり173馬力であったものが来シーズン用のV8は1L当たり290馬力である。

 考えてみれば1L当たり110馬力のエンジンを積んだホンダインテグラType Rがわずか270万円で手に入る時代なのだ。F1用エンジンが1L当たり290馬力でも驚くに値しないとも言える。

 BMWのワークスエンジンを失い、プライベーターとしてコスワースエンジンで戦う名門ウイリアムズの来期は、さて如何に。


 例によって記事本文とはまったく関係のない今日の1枚は、狐の剃刀(キツネノカミソリ)。地方によっては絶滅危惧種に指定されていることもある狐の剃刀ですが、恩田の森ではかつらの森の万年寺谷戸とすみよしの森のメインストリート脇の畑と竹林のあいだで見ることができます。彼岸花と同じヒガンバナ科で、生育する場所も同じ。約2週間後に彼岸花が咲く同じ場所で咲きます。
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