A380、デリバリーが更に遅れる

 エアショーではデモ飛行を行いその存在を大いにアピールし、ルフトハンザ航空など16のエアラインが既に159機を発注しているエアバスA380だが、ここに来て、既に遅れているデリバリーが更に1年遅れることが明らかになった。

 A380の納入遅れが確実になったことを受けて一部のエアラインではキャンセルを検討。また納入を待つエアラインに対しても膨大な補償金が必要となり、エアバス社の経営に大きな影響を与えそうである。

 A380は総二階建て、標準的な3クラスで555人、オールエコノミーなら一度に800人を運べると言う、ボーイング747(ジャンボジェット)を上回る超大型機である。郷秋<Gauche>としてはあのズングリとした超大型機に興味津々で、早くANAとJALが発注しないものかと思っていたが、こういう事態になってみると、両社共に賢明だったのかなという気もしてくるものだ。

 旅客機は機体単独で運行できるわけではなく、その機体を受け入れる空港のインフラが整備されていなければ就航できない。その点A380は、たとえば1、2階両方のデッキに同時に架設できるボーディングブリッジがあるのかとか、いろいろ心配ではあった。

 もっとも大量の旅客が見込める空港だけでいいわけだから、日本国内で言えば、新千歳、成田、羽田、関西、福岡、那覇の6空港程度だろうとは思うけれど、空港会社としての負担も多いはずである。その点ボーイング社が開発を進める787(標準型で210~250席、長胴型で最大330席)は、A380とはまったくキャパシティは違うけれど、従来機をよりリファインした先進的な機材としての魅力があるといえる。ちなみにA380には食指を動かさなかった国内2強だが、両社ともに787は発注済で、ANAに対しては2008年5月には引き渡しの予定となっている。

 そんなA380を抱えるエアバス社と787のボーイング社、果たしてどちらに軍配が上がるのか、野次馬、郷秋<Gauche>は興味津々である。

今日の1枚は、秋の高い空をバックにした柿の木。

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