本供養

 「供養の本番」ではなく、「針供養」などと同様の意味での「本の供養」です。

 郷秋<Gauche>の友人で、金沢で古書店を営むchikahachiさん(「郷秋<Gauche>の独り言」にはshinoさんという別名で登場することが多い)が、古書月間である今月、石川県古書籍商組合のイベントとして開催してくれることとなりました。

 経緯をご存知ない方には「開催してくれることとなりました」という言い回しが奇異に感じられたことでしょうね、きっと。実は、こんな経緯があるのです。

本供養のイベント開催の経緯
1. 郷秋<Gauche>が今年の7月にタダで図書館を作る方法という記事を書い
 た。町の図書館の蔵書を全国の個人等からの寄贈でまかなおうという大胆
 な発想です。
2. この記事に対しては本に興味をお持ちの方から幾つかのコメントを頂きまし
 た。
3. せっかく送られてきた本も、半分は利用価値がなく廃棄されるのではないか
 と、chikahachiさん。
4. 確かに本は捨てにくい。ならば「本供養」をしてはどうかと、郷秋<Gauche>。
5. 古書の組合でどこかの神社か寺とタイアップして本を供養するとして集め、古
 書市場を開いて収益の一部をどこかにチャリティするすのはどうか。検討して
 みたいとchikahachiさん。

 つまり、「郷秋<Gauche>の独り言」に書いた記事、そしてお寄せいただいたコメントから生まれたアイディアをchikahachiさんが見事、具現化してくれたわけなのです。ですから「してくれることとなりました」なんです。嬉しいです。chikahachiさんとしては5.のコメントを書かれた時点で、すでに秋の古書籍商組合のイベントのことが頭にあったのかも知れませんが、わずか2ヶ月でイベントとして企画・実現されたchikahachiさんには大きな○。アイディアを出した折に「事業化の暁には売り上げの5%で結構ですよ」と書いた郷秋<Gauche>には×。トホホ。

 本供養のアイディア、郷秋<Gauche>は売り上げの5%を頂戴しようと言う下心で考えたわけですが、chikahachiさんは、「書籍のプロたる古書店の眼で選別をさせて頂き、役割を終えたものについてはリサイクルへ、まだまだ利用の出来る本や後世に伝えていくべきものについては、当組合運営の交換会にて入札やセリを行い、その本を必要とされている方々の元へとお届けして社会に還元して参ると共に、それにより得られた収益は、ユネスコに寄託し、『ユネスコ世界寺子屋運動』による、世界中の恵まれない子供達の教育・識字運動の一助に」なるように考えてくれました。まさに ”Do for others.” 本とに素晴らしいです!

 10月28日(土)と29日(日)の両日、金沢神社境内への直接持込となりますので、金沢市内・近郊にお住まいの方に限られるかとは思いますが、捨てるに捨てられないでいた本をお持ちの方は、「本供養」に参加されてはいかがでしょうか。神社さんでの供養ですが、この際、お寺の檀家さんもクリスチャンもムスリム(マ)も、恵まれない子どもたちのための教育・識字運動でもありますのでぜひご参加を!
 
本供養の詳細はこちらをご覧ください。

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今日の1枚は、恩田の森、白山谷戸の秋。
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