JAL、エンブラエル170を受領

 昨年の2月に、JALが、こともあろうかブラジル・エンブラエル社製の小型ジェット旅客機エンブラエル170を確定10機、オプション5機を発注したことを書いた。(こちらを参照ください

 その初号機が出来上がり、3日、サンパウロ州にあるエンブラエル社で引渡し式が行われた。JALが発注したと書いたが、実際にはJALの子会社であるJ-AIRが運行し、小牧(名古屋)-福岡間などで運行される機材となる。

 ここで問題になるのはJ-AIRが既に運行しているCRJ200、2012年に運行開始を予定している初の国産ジェット旅客機MRJとの関係である。

 J-AIRが現在運行している50席のCRJ200のストレッチ版に70席のCRJ700があるが、JALは70席の機材としてエンブラエル170を選んだ。パイロットのライセンスの問題やメンテナンスの共通・一貫性を考えれば当然CRJ700を選択するところだが、JALはあえてエンブラエル170を選択した。

 また、YS-11以来の国家プロジェクトとしてのMRJ計画が進行し、ローンチ間近な時期にJALはエンブラエル170を発注した。一方ANAは、運行開始が4年後の2012年になることを承知の上でMRJを発注。ローンチカスタマーとなった。

 ANAは無論のこと、JALとても今や一民間企業。それぞれの戦略を持って企業運営をしているのだから、JALだからといって国策旅客機を購入しなければならないと云うことはない。しかし、先に書いたデメリットを考えればJALのブラジル製のジェット旅客機導入はいかにも唐突だ。

 勿論、A380や747-8と云った超大型機ではないので、途中で方針の転換があったとしてもJALの屋台骨を揺るがすようなことはないだろうが、もしそうなれば首脳陣の経営責任が問われる可能性は大いにあるだろな。


 今日の一枚は、我が家の庭の花水木の実。山法師の実も撮っておこうと思って裏庭に行ってみたら、実がすっかりなくなっていました。小鳥たちが啄ばんでしまったのでしょう。あまり早く食べてしまうと、冬の間の食料がなくなってしまうのでなかと心配になります。
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