唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
一眼レフ包囲網は狭まってきているのか
10月18日付の「日経ビジネス」に「デジタルカメラ覇権争い ―狭まる一眼レフ包囲網―」と云う記事が掲載されていました。伝統的一眼レフがデジタル一眼などと呼ばれる「ミラーレス機」に包囲され、その包囲網が狭まりつつあると云う記事です。
15%程度であったレンズ交換型カメラに占めるミラーレス機の割合は、2010年6月にソニーのNEXの登場したことにより一気に30%を超えるまでになりました。単焦点レンズ付きのNEX-3が4万円台の中ほど、18-55mmのズームレンズ付きだと6万円と、入門クラスのSLR(一眼レフ)と同程度の価格ながら、コンパクトタイプでは物足りないが、かと云って本格的なSLRは大きく重たく難しそうと云う層を取り込んでの大躍進なのでしょう。
撮影時の種々の条件が良ければ、コンパクトタイプのデジタルカメラやミラーレス(デジタル一眼)でもSLRに引けを取らない写真をものにすることができます。しかしその条件は、明るい昼間であることや被写体が動かない(もしくは動いてもゆっくりな)こと、あるいは気温、湿度、気圧と云った気象条件が良いことなどですので、上手に撮れる被写体と条件は限られると思って間違いありません。
液晶モニターを見て撮影するタイプのミラーレス機の場合には正確なフレーミングやマクロ撮影時の正確なピント合わせ等に難があります。また、望遠レンズを使っての撮影の場合には、その撮影スタイルから(補正機能があったとしても)相当の確率で手振れが発生することでしょう。こう云った撮影ではSLRが圧倒的に有利で、SLRと同じような価格のミラーレス機を購入しても、思うような写真が撮れずに結局はコンパクトタイプに後戻りの可能性も少なくないと思うのです。
ではミラーレス機には全く未来がないのかと云えば、そうではありません。LUMIX G2のようにEVF(Electronic View Finder、電子ビューファインダー)を持ち、伝統的SLRと同じ操作性を有するカメラが、将来一定以上のシェアを獲得する可能性があります。ただし、EVFが画素数のみではなく色味や応答速度が相当に改良され、プロユースに耐えられるようになるにはまだかなりの時間がかかるように思えますので、「将来」と云うのは10年スパンで見た将来と理解して良いのではないかと思うのです。
それまでの間に台頭するのはSLRの最も特徴的機構であるクイックリターンミラーを半透明化し固定したタイプのSLRだと郷秋<Gauche>は考えます。可動式のミラーは60年の間に改良に改良を重ね、ブラックアウト時間を極限まで短縮し、現在では事実無視し得るまでになっていますが、それでも肝心な撮影のその瞬間を見ることができないのは事実ですし、ミラーが上下する時の振動もマクロ撮影などで無視できない場合もあります。また、コンサートの撮影などでは作動音の大きさが気になることも事実です。
そこで期待されるのがハーフミラーを用いたSLRですが、この技術は決して新しいものではなく、実はもう45年も前にキヤノンが「ペリックス」を登場させ、その後はNikon(ニコン)が空前絶後の毎秒13.5コマの撮影を可能にしたF3Hを1996年に発表しています。ちなみにF3Hは長野で開催された冬季オリンピック用に開発されたプレス専用機として限定受注生産されたもので、その生産数は1000台に満たないという貴重品です(どうしても手に入れたいという方はご連絡ください。在庫のあるお店をご紹介いたします。新品で価格は80万円です)。
話が大いにそれてしまいましたが、果たして伝統的一眼レフがデジタル一眼などと呼ばれる「ミラーレス機」に包囲され、その包囲網が狭まりつつあるのかと云う問いに対する郷秋<Gauche>の答えはYesでありNoでもあります。
包囲はされているけれどSLRの両雄、ニコンとキヤノンはこれまでに築き上げた膨大な交換レンズ資産を生かすことのできる、高機能なミラーレス機を遠からず登場させることでしょう。具体的には、2011年中には必ずや登場することでしょう。つまり、包囲はされているけれど、包囲されたに見えた両雄がミラーレス機で打って出た時に、現在のソニー優位が保たれるとはとても思えないわけですね。
ソニーがもっとも名の知れた家電メーカーだからNEXが売れているのであり、ユーザーの多くは積極的にソニー製のミラーレス機が欲しい訳ではないのです。一眼レフで長い伝統を持ち技術を蓄積し、数多のレンズ資産をもつニコンとキヤノンがミラーレス機市場に参入した日には、今年の6月に起こったのと同じことが再び起きるのです。もちろん一生涯SLRに手を出さないユーザー層はNEXを購入するかも知れませんが、いずれSLRを欲しいと思うユーザー層はの多くはニコンあるいはキヤノンのミラーレス機を購入することになるでしょう。
現時点で包囲されているのは間違いのない事実ですが、いずれ両雄自らミラーレス機市場に参入する。そしてその後の市場の推移は自ずと知れたこと。先の質問に対する郷秋<Gauche>の答えが「YesでありNoでもある」と云うのはこう云うことなのです。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、いまどきに花を咲かせる杜鵑(ほととぎす)。杜鵑は種類が多いようで、日本には12種が自生し、そのほかにタイワンホトトギスなども園芸種として入っているということなので、門外漢の郷秋<Gauche>には判別のしようもない状況です。
15%程度であったレンズ交換型カメラに占めるミラーレス機の割合は、2010年6月にソニーのNEXの登場したことにより一気に30%を超えるまでになりました。単焦点レンズ付きのNEX-3が4万円台の中ほど、18-55mmのズームレンズ付きだと6万円と、入門クラスのSLR(一眼レフ)と同程度の価格ながら、コンパクトタイプでは物足りないが、かと云って本格的なSLRは大きく重たく難しそうと云う層を取り込んでの大躍進なのでしょう。
撮影時の種々の条件が良ければ、コンパクトタイプのデジタルカメラやミラーレス(デジタル一眼)でもSLRに引けを取らない写真をものにすることができます。しかしその条件は、明るい昼間であることや被写体が動かない(もしくは動いてもゆっくりな)こと、あるいは気温、湿度、気圧と云った気象条件が良いことなどですので、上手に撮れる被写体と条件は限られると思って間違いありません。
液晶モニターを見て撮影するタイプのミラーレス機の場合には正確なフレーミングやマクロ撮影時の正確なピント合わせ等に難があります。また、望遠レンズを使っての撮影の場合には、その撮影スタイルから(補正機能があったとしても)相当の確率で手振れが発生することでしょう。こう云った撮影ではSLRが圧倒的に有利で、SLRと同じような価格のミラーレス機を購入しても、思うような写真が撮れずに結局はコンパクトタイプに後戻りの可能性も少なくないと思うのです。
ではミラーレス機には全く未来がないのかと云えば、そうではありません。LUMIX G2のようにEVF(Electronic View Finder、電子ビューファインダー)を持ち、伝統的SLRと同じ操作性を有するカメラが、将来一定以上のシェアを獲得する可能性があります。ただし、EVFが画素数のみではなく色味や応答速度が相当に改良され、プロユースに耐えられるようになるにはまだかなりの時間がかかるように思えますので、「将来」と云うのは10年スパンで見た将来と理解して良いのではないかと思うのです。
それまでの間に台頭するのはSLRの最も特徴的機構であるクイックリターンミラーを半透明化し固定したタイプのSLRだと郷秋<Gauche>は考えます。可動式のミラーは60年の間に改良に改良を重ね、ブラックアウト時間を極限まで短縮し、現在では事実無視し得るまでになっていますが、それでも肝心な撮影のその瞬間を見ることができないのは事実ですし、ミラーが上下する時の振動もマクロ撮影などで無視できない場合もあります。また、コンサートの撮影などでは作動音の大きさが気になることも事実です。
そこで期待されるのがハーフミラーを用いたSLRですが、この技術は決して新しいものではなく、実はもう45年も前にキヤノンが「ペリックス」を登場させ、その後はNikon(ニコン)が空前絶後の毎秒13.5コマの撮影を可能にしたF3Hを1996年に発表しています。ちなみにF3Hは長野で開催された冬季オリンピック用に開発されたプレス専用機として限定受注生産されたもので、その生産数は1000台に満たないという貴重品です(どうしても手に入れたいという方はご連絡ください。在庫のあるお店をご紹介いたします。新品で価格は80万円です)。
話が大いにそれてしまいましたが、果たして伝統的一眼レフがデジタル一眼などと呼ばれる「ミラーレス機」に包囲され、その包囲網が狭まりつつあるのかと云う問いに対する郷秋<Gauche>の答えはYesでありNoでもあります。
包囲はされているけれどSLRの両雄、ニコンとキヤノンはこれまでに築き上げた膨大な交換レンズ資産を生かすことのできる、高機能なミラーレス機を遠からず登場させることでしょう。具体的には、2011年中には必ずや登場することでしょう。つまり、包囲はされているけれど、包囲されたに見えた両雄がミラーレス機で打って出た時に、現在のソニー優位が保たれるとはとても思えないわけですね。
ソニーがもっとも名の知れた家電メーカーだからNEXが売れているのであり、ユーザーの多くは積極的にソニー製のミラーレス機が欲しい訳ではないのです。一眼レフで長い伝統を持ち技術を蓄積し、数多のレンズ資産をもつニコンとキヤノンがミラーレス機市場に参入した日には、今年の6月に起こったのと同じことが再び起きるのです。もちろん一生涯SLRに手を出さないユーザー層はNEXを購入するかも知れませんが、いずれSLRを欲しいと思うユーザー層はの多くはニコンあるいはキヤノンのミラーレス機を購入することになるでしょう。
現時点で包囲されているのは間違いのない事実ですが、いずれ両雄自らミラーレス機市場に参入する。そしてその後の市場の推移は自ずと知れたこと。先の質問に対する郷秋<Gauche>の答えが「YesでありNoでもある」と云うのはこう云うことなのです。
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例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、いまどきに花を咲かせる杜鵑(ほととぎす)。杜鵑は種類が多いようで、日本には12種が自生し、そのほかにタイワンホトトギスなども園芸種として入っているということなので、門外漢の郷秋<Gauche>には判別のしようもない状況です。
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