D300Sの後継機はホントにあるのか

 Nikon Rumorsに”Some fresh Nikon D400 rumors”と云う記事が掲載されていた(see here)。元ネタはこちらで、今年の初めにD800に関する正確な情報をもたらした人物からの情報なので信憑性が高いのだと云う。スペックも実に詳しく掲載されているが要点としては、イメージセンサーが24MPになること、内臓バッテリーで8 FPS、マルチバッテリーパックにアルカリ乾電池もしくはEN-EL18を装着すると9 FPSの高速撮影が可能になることか。また、D800/D800Eに投入された機能の幾つかが導入される。

 しかしだ、D400の最大の問題は、Nikon(ニコン)が鋭意開発中と云われる低価格FX機、D600との関係である。噂によればD600の価格は1600USD、D400のそれは1800USDだと云う。フルフレームのD600よりもAPS-SのD400の方が200ドル高価なのである。共に24MPのイメージセンサーを搭載すると云う事になれば当然解像度や高感度画質の面ではD600が有利だが、D600の5FPS程度に対してD400の最高9 FPSと云う高速撮影性能はD4にも迫る圧倒的なアドバンテージとなるだろう。

 また、D7100(D7000の後継機)との関係も微妙である。D7000も今年秋にはモデルチェンジの時期を迎えるが、当然現在の16MPから24MPに、6FPSから7FPS程度に進化するだろから、性能面ではD400と大きく変わらないことになる。勿論操作性や耐久・耐候性能での差は大きいから、D400はやはりプロのサブ機、D7100は上級アマチュア向きと云う棲み分けは可能だろう。

 さて、間違いなくモデルチェンジする機種にD600、D400の噂を含めた、今年秋のニコンのDSLRラインナップを整理しておこう。
D4          580,000円
D800E   300,000円
D800      250,000円
D600   160,000円
D400   180,000円
D7100  130,000円
D5200   80,000円
D3200    65,000円
D3100   39,000円
注1:D600までがFX機、D400以下がDX機。
注2:実売価格は郷秋<Gauche>による今年秋時点の予想で。
注3:D3100は、D3200が余りにも高価になったため当分の間併売されると云う郷秋<Gauche>の予想。

 こうしてみると、価格レンジ的にはまずまずきれいに並んでいる。問題があるとすれば、D+三桁数字の型番にFX機とDX機が併存していること。これはD300Sの後継機をD400とせずD8000もしくはD9000にすれば解決するが、ニコンがFX機とDX機の区別なくD+三桁数字の型番を「プロ機」用として位置づけるならば、D300Sの後継機はD400ではなくD310とすべきである。

 さて、上のラインナップから見えてくるもう一つの問題は、一番下のレンジを受け持つモデルの不存在である。つまり、当分の間はD3100を併売することでしのぐとしても、いずれ新しいモデルが必要な時期が来るのだ。18MP、4FPS、45,000円程度の”D1000”が遠からず登場することだろな。

 ところで、郷秋<Gauche>は「D300Sの後継機はフルサイズが『ちょうどいい』」と云う小文を3月4日に書いているが(see here)、その要旨はまさにタイトル通りで、DXの上級機はD7000の後継機に任せてD300SはFX機に進化するのが良いだろうと云うもの。つまり、噂になっているD600こそがD300Sの後継機であると云う事になる訳だが、昨日Nikon Rumorsに掲載されたD600の(ものだと云う)写真(see here)を見る限り、D800Jr.と云うよりはD7000の兄貴分と云う感じである。さて、どんな結末が待っているのか、今から秋が待ち遠しい郷秋<Gauche>であるぞ。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、郷秋<Gauche>のオフィスの前にあるヒマラヤスギの球果。球果は判り易く云えばヒマラヤスギの果実で松ぼっくりの元。昨年暮れに咲いた花が今頃高さ10センチはあろうかと云う実を結び、実が熟し果肉が落ちると松ぼっくりが現れる。ヒマラヤスギなんだから「杉ぼっくり」かと思いきや、ヒマラヤスギはスギ科ではなくマツ科なので「松ぼっくり」で良いようだ。

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