唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
クラシカルに聴く、ザ・ビートルズ(その1)
本当は「弦楽アンサンブルで聴くザ・ビートルズ」としたかったのだが、初回がピアノ四重奏では看板に偽りあり!と云われそうなので、逃げの一手で「クラシカル」とした。
今日ご紹介するのは「ノルウェーの森 ~ザ・ビートルズ・クラシックス」と銘打たれたアルバム。演奏するのは「1966カルテット」と云う聴きなれないユニット。収録されているのはタイトルチューンの「ノルウェーの森」をはじめ「イエスタデイ」「ラヴ・ミー・ドゥー」「レット・イット・ビー」などお馴染のナンバー18曲。
数あるザ・ビートルズ・ナンバーの中には耳馴染のない曲も結構あるけれど、このカバーアルバムに収められているのは日本人なら誰でも知っているザ・ビートルズ・ナンバーばかりである。だってそうだろう。物まねされている(オリジナルの)歌手や芸能人を知らなかったら、物まねが全然面白くないと云うか、物まねとして成立しないのと同じ理屈なのである。だから誰でも知っている曲だけ。
さて、今日ご紹介するアルバムの注目すべき点は、メンバー全員が若い女性、所謂ビジュアル系である事。ブックレットを見ると一番若い花井悠希さん(Vn)は東京音大4年生、チェロの林はるかさんも芸大大学院M在学ととにかく若い。他にVnの松浦梨沙さん(VnとVaではなVn*2の構成)とピアノの長篠央子さんだが二人ともお若い。しかしだ、「1966カルテット」と云うユニット名はいかがなものだろうか。
「1966」は勿論、ザ・ビートルズが日本にやって来た年だけれど、その後、クイーンやマイケル・ジャクソンのカバーアルバムも出しているようではある。ちなみに編曲は加藤新一郎氏。アンサンブルとしては比較的一体感があるピアノ四重奏で耳触りも悪くはないがインパクトには欠ける。また、明日紹介する予定のアルバムのアレンジを担当しているすぎやまこういち氏の影響を強く感じてしまうのはマイナス点と云えるな。
「ノルウェーの森 ~ザ・ビートルズ・クラシックス」
DENON COCQ84856 / Nov. 2010
追記:上記のジャケットは、勿論"With the Beatles"のジャケットを真似したもの。表2にカラフルな四人の写真がありますのどうぞご安心を。って、何を安心するんだか(^^;