海外ドラマは一度見ただけでは理解できないことは
判事ディードの解説を始めたときに気づきました。
ということでLaw&Orderも録画してみるようにしています。
特にLaw&Orderはスピーディなので、さらにその思いがあります。
アメリカのABC放送(日本のNHKなどとも提携しているようです)の
朝番組(グッドモーニングアメリカ)のキャスターのロビン・ロバートさんは
アメリカの現実を知るためにLaw&Orderを録画し、最低5回は見ている
ということでした。
エクスパートというべき人ですらそうなのですね。
今では、ニューヨーク州でも同性婚を合法化する法律ができた(2011年)
ように法整備も整い、手続きも明確化されました。
このドラマが取り上げたニューヨーク州のニューパルツという小さな村で
緑の党から当選した若い(26歳)村長さんが同性婚について結婚証明書
を発行すると発表したのが2004年2月27日とのことです。
村長には認定証をを発行する権限がないので、結婚証明書の有効性を
巡って、ひと騒動があったようです。
Law&Orderの15シリーズの7話の知事の恋人はそこからヒントを
得たのではないでかと分析しました。
ドラマが出した結論、とりあえずは無効というのは、一つの考えなのだと
思います。
さて、この回で私が勉強したこと
1 保釈の手づづき
保釈を認めるかどうかは検察、弁護人が裁判所に出頭して決める
のですが、その手続きが、我々日本人にも理解できるように描写されて
いました。
保釈金500万ドル、パスポートの提供が条件でした。
パスポートを取り上げるのは、普通なのですね。
IMF専務理事の場合もそうでしたし、イギリスではアサンジ氏の場合が
そうでした。
大体理解できました。
2 セリーナ検事補が大陪審の日程が入っていると言っていましたので、
この後、大陪審で起訴をきめたのですね。
ただ、この場面はドラマでは省略でした。
3 アメリカでは配偶者の証言免責特権があり、これが有罪証明の大きな
障害になっているらしいことは、いろんなドラマで見ていますが、
今回は同性婚の配偶者の場合まで、免責特権を認めるべきかどうか
でした。
もちろん、法律に従った同性婚の場合は、当然認められるのでしょうが、
このドラマでは、法律はなく(ニューヨーク州の場合、前述のとおり
今年になってからです)、小さな村の一村長さんの独断によるものだと
いうことが争点だったのです。
刑事事件の裁判官が免責特権を認めたので、マッコイ検事補は、上級審
に判断を仰ぐことにしたのです。
このやりとりも面白かったです。
4 イギリスもそうでしたが、アメリカの裁判所の仕組みもわかりにくいですが、
今回のドラマで少しわかりました。
これについては、また別の機会にします。
5 折角、免責特権は認めないとの判決をもらったのに、今度は、人格を否定
されたということで、証言を拒否されました。
すぐに法廷侮辱罪に問われるのですね。
このあたりは人間心理の問題です。
6 結局、マッコイは取引をすることにしました。
最初は絶対にしないと強気でしたが、方針転換です。
強い動機(会社の存続にかかわる)等はあるものの、凶器との関係が
弱いからです(どこにでもある量産品)。
陪審員の評決について、検察側も弁護側も自信が持てないということで
双方歩み寄ることになったのです。
このあたりのやりとりも参考になりました。
交渉のときに何を材料にするか、駆け引きです。神経戦です。
日本でも同じです(刑事では取引はありませんが、民事の和解や
示談交渉についてです)。
7 取引が成立すると、裁判官に報告、判決の言い渡しになりますが、
この場面は省略です。
日本の民事事件での訴訟上の和解をイメージすれば、理解が早い
ようです。
8 地区検事のアーサー・ブランチは政治ポスト(選挙)ですが、同性婚
の免責特権について上級審に持ち込むことは、選挙にはマイナスに
なることや、そういう状況での記者さんに対する説明の仕方は
なかなかうまかったと思いました。
(残念ながらアーサー・ブランチの英語はほとんど聞き取れませんが)
日本にいて、かなり詳細なことまで勉強できるのは嬉しいことです。