このところ急激な円高が続いています。
特に日本経済に対する信頼が増したというわけでありません。
アメリカのデフォルトの心配はさしあたりなくなりましたが、
アメリカ経済に対する懸念がなくなったわけではありません。
というより、逆に深刻さが明らかになりました。
ヨーロッパについてもそうです。
ギリシャがさしあたり一段落したと思うと、今度はイタイアが
危ないということです。
そういう心配が当面の避難先として円買いになっているだけです。
共産党の計画経済が失敗したように、
自由経済社会についても、誰かがどこかの国がなにかができるという
時代ではなくなったようです。
アメリカのオバマ、ドイツのメルケルが日本化して何もしなくなったなどと
揶揄されていますが、きっと何をどうしていいのかわからないのだと
思います。
それで、兎に角成り行きをみるという姿勢になるのです。
世界の人口は約70億人です。これだけ膨大な人間が小さな地球に住んで
います。
政治的、経済的、社会的、地域的事情も、本当にピンからキリですが、
一つの運命共同体です。
こういう世界を一国や一地域の政治家が動かせるなどあり得ません。
特に、どこをみてもそうですが、たとえばアメリカも民主党と共和党の
考えは全く違っていますし、日本もお上はお上、下々は下々と
それぞれ勝手な思惑で動いています。
表の建前と裏の実態とはバラバラです。
これまで統制のとれていたと思われていた中国でも上海の高速鉄道
事故をきっかけに、そうでもないということが明らかになってきました。
こういう時代には、政府は最低限のことをしていればいいと思います。
ひょっとすれば、最低限のことすらできないのかもしれません。
民主党のいう政治主導というのは今では時代錯誤ではないかと
思うのです。
民のことは民に任せて、政府は国防などの最低限のことをすれだけで
良いと思います。
個々人が生きていくには、妥協や協力が必要です。
そういう底流での流れに逆らっても、あるいは無視しても良い結果はあり得ません。
それよりは、まずがこの底流がどちらの方向に向いているのか等を
見極める、その間は脱線しないように見守るということが大事と思います。
政府のあり方について、抜本的に見直す時期ではないかと考えます。
今、必要な政府は、国民の邪魔をしない小さな政府、だと思います。