弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

橋下改革と割れ窓理論

2012年03月06日 | 政治、経済、社会問題

橋下市長は、かなり細かいことの改革に取り組んでいます。
メールのチェックや入れ墨職員などです。

私はもちろん彼の政策に100%賛成というわけではありませんが、
おおむね賛成です。
そして、今取り組んでいるこういう細かな改革には大賛成です。
彼は職場の規律、職員の士気の向上をめざしているのですが、
それは、より大きな改革をするための基礎固めだと思います。

世の中を変えるというような大改革は、一人でできないし、
少人数でもできることではありません。
実働部隊である職員の協力がなければ、おそらく何もできないでしょう。
だからこそ、実働部隊となる職員の意識改革を狙っているのです。

決してつまらないことではありません。

みなさん、ニューヨークの治安回復に「割れ窓理論」が大きな成果を
あげたことはご存じだと思います。
実はこの理論の提唱者であるジュームズ・ウィルソン氏が80歳で亡くなった
というニュースをみて、久しぶりに「窓割れ理論」のことを思い出しました。

ニューヨークでは殺人などの凶悪事件が頻発し、危険な都市になっていました。
そのときに、まずは地下鉄の落書きや無銭乗車などの小さな犯罪、軽犯罪から
始めようと提唱したのが、「割れ窓理論」でした。

ウィキから引用します。要領よくまとまっていますので。

「治安が悪化するまでには次のような経過をたどる。

  1. 建物の窓が壊れているのを放置すると、それが「誰も当該地域に対し関心を払っていない」というサインとなり、犯罪を起こしやすい環境を作り出す。
  2. ゴミのポイ捨てなどの軽犯罪が起きるようになる。
  3. 住民のモラルが低下して、地域の振興、安全確保に協力しなくなる。それがさらに環境を悪化させる。
  4. 凶悪犯罪を含めた犯罪が多発するようになる。

したがって、治安を回復させるには、

  • 一見無害であったり、軽微な秩序違反行為でも取り締まる(ごみはきちんと分類して捨てるなど)。
  • 警察職員による徒歩パトロール交通違反の取り締まりを強化する。
  • 地域社会は警察職員に協力し、秩序の維持に努力する。」

キーポイントはモラルの向上だというわけです。
モラルが向上すれば、おのずと自ら住んでいる社会の安全に関心を持つように
なり、それが環境の改善に寄与するというわけです。

この理論はニューヨーク、その他の都市で成功し、有効な理論だと認められて
います。

橋下氏が今始めているのはこういう改革です。
地道ですが、確実な方法です。是非とも成功してほしいです。

昔からの諺にも「千丈の堤も蟻の一穴」とか「小事は大事」というようなものがあります。
同じ意味でしょう。

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今日はカモミールです。
最近、よく見かけるようになったと思っていましたが、江戸時代末期に
ヨーロッパから移入されていたのですね。
黄色がとても印象的です。


Law&Orderからみるアメリカ、検事は社会正義のため

2012年03月05日 | Law&Order

21回目も良かったですね。

検事は犯罪を訴追するのが仕事ですが、でもただ処罰だけを
目的としているわけではない、ということは、日本でも一般論として
教えられています。

21回目のカッターの審問をみていると、どちら側の尋問をしているのか
と思うことがありました。

カッターとしては、いかに同情すべき理由があろうとも人を殺した以上、処罰せざるを得ない、
かといって、弱みに付け込んで、そこまで追い込んでいき、巨額の利益を
得ている者をゆるしておくわけにはいかない、
本当の被害者のためになんとかしたいというわけです。

そこで、取引をするわけですが、今回は、ラボから示談金を出させることで
被告人に有罪を認めさせるという、なかなか難しい役回りです。
(陪審裁判というのは、実際に殺人があっても、陪審員が同情すると無罪にしてしまい
ます。これは法律論を越えていますが、よくも悪くもそれが陪審制です。
カッターもみとめていたように、陪審員でなくとも同情してしまうような事件です。
ですから、全体としての正義を実現しようとすると、取引による解決しかないのです。)
マッコイも出てきて、勝手に採血するのはbatteryに当たる、犯行の場(採血した
介護施設)が自分の管轄だ、つまりいつでも立件できるよと、まー脅しみたいな
ものですね、といって、検事3人が、かわるがわる説得するわけで、1000万ドル
一時金での示談もやむを得ないと観念するしかないですね。
被告人もこれで50年の一族の無念を晴らし、墓をつくり、みんながそれなりの生活
ができるとなれば、取引も悪くはないわけです。

今回は、犯罪の背景、本来ならば弁護側がすべきことかもしれませんが、
検事には真実発見の義務があるわけで、被告人に有利な事情についての
検事の取り調べにかかる部分が丁寧に描かれていたと思います。

なお、警部補のヴェン・ビューレンが自らの癌患者としての気持ちをカッターから
聞かれます。確かにプライバシーにかかることで怒りももっともですが、
彼女のいうように、「勝つためなら」何でもする、と簡単に割り切れないと
思います。
私には、むしろ、カッターも真実も知りたかったのでは思います。
そしてその真実は、どちらかというと、被告人に有利なのではと思うのです。
ヴェン・ビューレンも認めるように癌になれば、要は、治る治療法であれば
何にでも救いを求める、その治療法の背景に何があろうと関係ないというのが
本当の気持ちでしょう。
とすれば、そういう画期的な治療法の発見の貢献者でありながら、何も
知らされずただだた利用されてきただけの被告人・被害者一族は
医学の進歩の被害者です。それが大きくクローズアップされると思うのです。
だとすると、陪審員は被告人により同情的になるのではないでしょうか。

今回は、ラボから巨額の示談金を引き出させ、被告人ら一族の50年にわたる
屈辱を果たすために、逆に被告人の裁判が利用されていたように思います。

だから、見終わって、正義が良い形で果たされたという安ど感が残りました。

事件というのは複雑な背景があります。
それぞれの事件に相応しい弾力的な解決ができるという点で司法取引の
制度も悪くないと思います。
しかし、こういう制度は、検事にはとても負担がかかります。
完全に堕落した日本の検事にはできそうにないですね。

 


英王室三女性集合

2012年03月04日 | 海外事情

土曜日は久しぶりに爽やかな一日でした。
ですが、一日中、うちに閉じこもっていました。

そして、どれくらいの期間があれば、人はかわることができるのかな、
などとつまらないことを考えています。
まー、ケース・バイ・ケースですよね。

今、日本では女性宮家を創設すべきかどうかが検討されています。
海の向こうをみると、イギリスでは、3人の女性ロイヤルファミリーが
初めて一緒に公式行事に臨んだということです。
公式とはいってもやや軽めです。
日本でも紅茶で有名なフォトナム・メイソンです。

とても華やか和やかででいいですね。ここをクリックしてください。

さて、天皇陛下は4日も退院予定とか?
海の向こうでは、フィリップ殿下が、もうすぐ91歳にもかかわらず、
心臓オペから2か月で運動に戻ったとか。ここをクリックください。
外国人は本当に逞しいですね。
こういう逞しさは見習いたいですが、狩猟民族と農耕民族の違いでしょうか。

こういう逞しさ(肉体的、精神的)、ほしいです!!!!!


Law&Orderからみるアメリカ、検事と家裁の手続き、その他

2012年03月03日 | Law&Order

Law&Orderをみていると、刑事事件に関連して検事が家事事件に
積極的に関与しているのが見られます。

最近では、子供の親権についてと養子縁組の無効でした。
日本でも検事は公共の代理人として民事に関与することができることになって
いますが、実例については、あまり、というか全然知りません。
アメリカは違うのでしょうか。

親権についていえば、孫可愛さに妻の実の親が離婚した夫と結託するという
のは、日本でもあることなのです。
自分の娘をコントロールするのは難しいけれど、どういうわけか娘と離婚した
他人である元義理の息子は協力的ということはあるのです。
祖父母と孫の関係は、せいぜい面接交渉が認められる程度です。
ですから、孫と日常的に接するためには親の親権を利用するしかないのです。
そこでいうことをきかない娘よりは、というわけで、義理の元息子と結託するのです。
私も、ずっと昔に扱ったことがあります。
当時は、納得できないところがありましたが、いろいろと経験を積んだ今では
ストーンと理解できます。
本当に何でもできるんです。こわいですね。

養子縁組については、今回は、いわゆるレスビアンの女性が一緒に生活するために
養子縁組を利用したのですね。
このLaw&Order当時は、まだニューヨークでは同性婚が認められていませんでした。
(なお、今現在は、ニューヨーク州でも合法化されています。つい最近です。)
法律の趣旨に反するので、養子縁組は無効になりましたね。
これは、つい最近のアメリカのお話ですが、
損害賠償請求が起こった場合に備えて財産保全のために、年齢もほとんどかわらない
にもかかわらず、自分の恋人と養子縁組したというニュースを見たことがあります。
超有名人のようでした。
きっと、このケースの場合も、実際に問題が起こった場合には、養子縁組は無効に
なる可能性が大きいですね。

いずれにしてもアメリカでおこっていることは、日本でも起こっているということ
であり、Law&Orderがおもしろいのは、そういうことなんだと思います。

Law&Orderも残りが少なくなりました。
シーズン20で終わることになっています。
20話では、マッコイは若い二人のコンビに満足しているようでした。

私も、大変勉強になっています。
日本の法学教育、法曹教育はもっと変わらなければならないと感じています。

 


中国のにせ天然ラテックスマットレス・枕(再々)

2012年03月02日 | 海外旅行

この記事は、3月5日訂正したものです。

3月1日、「北京帰り」さんからコメントをいただきそれについて
意見を書きましたが、訂正とご丁寧なご意見をいただきました。
コメントは公開させていただきました。

保証書は入っていたということでした。

天然ゴムかそうでないか、調べる方法はあると思うのです。
本当は、それが一番いいと思いますが?

平成23年9月6日のブログのコメント欄をご覧ください。

なお、11月22日のブログもお読みください
実は11月22日のブログは、平成24年2月17日に書き換えました。
というのは、その日のコメントみていただくとわかりますが、
北京のお店からコメントが届いたからです。
ということで、すっきりと、正規の手続きをとって返金をしてもらった事実
を追加しました。

そのあと、たぶん10回くらい同じ内容のコメントが届きました。
同じなので公開はしていません。

実は、私が返金を求めた理由は保証書には天然ゴムとあるのに
実物は天然ゴムではない、虚偽表示だ、というものだったのです。

ご報告をさせていただきますね。

なお、中国旅行中の偽もの体験?を帰国直後に書いています。
今回のラテックスのことを最初に書いたブログでもあります(平成23年7月28日)。
見てください。