弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

シリアのアサド大統領、不可解です

2012年03月11日 | 海外事情

アラブの春は、それぞれの国に何らかの変化をもたらしました。

しかし、シリアだけは今も毎日のように何十人単位で人が殺されています。

弾圧が始まった過去1年で7500人超が死んだということです。
単純計算しても毎日20人以上の人が殺されたということです。

アラブ連盟の国々も圧力をかけてきましたが、何の変化もありません。
また西側の先進国の圧力にも、どこ吹く風です。

今日は前の国連事務総長のアナン氏がアサド大統領と会談することになって
いますが、多くの関係者は時間の無駄とみているようです。

アサド大統領はたまに外国のマスコミの取材を受けても弾圧や銃撃の
事実は認めていません。
毎日毎日、主な都市の街路で銃撃や砲撃が行われていることに気がつかない
などあり得ないと思うのですが・・・・

ときどきテレビでみても、背広姿で、到底毎日20人以上の死者が出ている国の
最高指導者には見えません。
平和な国の指導者のような感じです。

最近、ヒラリー国務長官は、アサド大統領のことを、戦争犯罪者の定義に該当する
と述べていました。

しかし、どうみても、本人にそういう自覚があるようにはみえません。

アサド大統領は長男の事故死をうけて、本来予定していない大統領職につくことに
なった人です。
ひょっとして政治のことや国民のことには全く無関心なのかもしれません。
あるいは、そもそもそういう能力はないのかもしれません。
だからすべて部下に任せて、本人は不都合なことは一切見ないことにしている
可能性があります。
人間て不思議なもので、関係ないと決めてしますと、本当に関係なくなるようです。
今、私が理解するとしたら、そういう理解しかありません。
要は、アサド大統領は、シリアの象徴としての顔ですね。
国の中は、軍部を中心としたごく一部の指導者が、いうことを聞かない国民を
言うことを聞かないといって殺しているのです。
それにしても立ち上がる人、リーダーになる人はいないのでしょうか。
いないということですよね。

長い長い歴史がそういう国を作ったということなのでしょうか。
本当に理解不能、不可解な国です。怖くなりますね。

そして目を日本に移すと、日本もシリアと変わらないのかもしれません。
銃撃戦や死体の山は見えません。
しかし、福島の原発事故や、政治の機能不全、会議録を作成するというような
基本的なことすら知らないような幼稚で自己顕示欲の強い人が、何をなすべきか
わからず右往左往しているだけで、政権の体すらない。
軍隊の代わりに、増税だ増税だと騒いでいるだけ、
違憲を宣告されているにも関わらず何もできずに、無駄遣いだけ、国民の
大切な財産を使いたい放題というわけです。
それにもかかわわらず国民は声をあげて反対することなく、ただ黙々と下を向いて
文句も言わず働いているだけ。
きっと、外からみれば、シリアとかわらないのかもしれないです。
不可解な国とみているはずです。
このままでは、日本の人材は流出し、後に残るのは、無気力な人だけになってしまう
可能性は大いにありです。
本当に怖いです。


陸山会事件の政治資金規正法違反について

2012年03月10日 | 裁判・法律

9日、検事役の指定弁護士が論告求刑をしました。禁錮3年ということです。

共謀の立証は十分ということです。

こういう仕事をしていると、とりわけ、双方の言い分が全く異なることが
あります。
神でないものにとって、何が真実か見極めるのは極めて困難です。

中でも誰かが意図的に何かを企んだときは、真実が見えてくるのは
難しいです。
神のようにはるか上から全体を見渡せれば、それほど難しくないかもしれませんが、
普通の人間は極めて狭い世界を生きています。
ちょっと離れたところの動きすら知りえません。
謀られてしまうと、当事者ですら、何が何だかわかりません。
そして、人が第三者にどのような思いを抱くかも、これは本当にわかりません。

小澤事件については、裁判所に公正な判断をお願いするしかありません。
国民を納得させるものであってほしいです。

 


イスラエル首相のアヒル発言ユーチューブ

2012年03月09日 | 海外事情

今日は、思考停止状態です。

首都圏直下型地震のシュミレーションなど、暗いニュースです。

ぱっと明るくなれるようないい話が聞きたいですね。

このところ、雑用的なこと、管理業務で、忙殺されています。

イランの核開発をアヒルにたとえた、イスラエル首相の発言をおもしろく
アレンジしたユーチューブをお楽しみください。

少々うるさいです。我慢ください。

それにしても、英語は自由自在ですね。
改めて、英語の必要性を認識しました。


Law&Orderからみるアメリカ、最終回

2012年03月08日 | Law&Order

火曜日で一応最終回となりました。

最終回は、私には少々物足りなかったです。
本場アメリカでは、当時、教育現場でこのような議論があったということですから
関心を持って見られたはずです。

鑑賞の仕方はいろいろでしょうが、私はどちらかといえば法廷ものとして
見ていました。
もともとLaw&Orderは捜査と裁判の両方を一つのドラマで見ることができる
というものでしから、警察ものとしてみる見方もあります。
こちらに関心があった方には最終回は見ごたえがあったと思います。

この後も、今度はゲストスター特集としての放送が続くようですが、
私はとりあえず卒業とするつもりです。

一番勉強になったのは、問題提起の仕方です。
生の事実は同じですが、どこをどのようにきりとるかで、事件は全く別のものに
なります。
それによって、法律的に強くなったり弱くなったりするようです。

もうひとつ、コンピューターからの情報や、監視カメラなどITなしでは
捜査や裁判すらできないのではないかということです。
日本もいずれはこのようになるのでしょうか。

 


Law&Orderからみるアメリカ、ソールメイト事件

2012年03月07日 | Law&Order

第22話はソールメイトがキーワードです。

ニューヨーク州知事の高級娼婦事件、イリノイ州知事のわいろ事件
そして南カルフォルニア州知事のソールメイト事件と
州知事をめぐる一連の事件が世間を騒がせていました。
最初の二つについてはLaw&Orderに如何に反映されているか、
既にこのブログで述べました。

さて、南カルフォルニア州知事のソールメイト事件というのは、一言でいえば
不倫です。
クリントン大統領は「不適切な関係」で逃げ切りました。
南カルフォルニア州知事のマーク・サンフォードは、2009年の夏、数日行方不明
になりました(行き先を知らせずに出て行ったということ)。
父の日にも子供にも連絡しないということで大騒ぎになったのです。
アパラッチの山にハイキングにいったらしいといわれていたのですが、
実際はブエノス・アイレスに愛人に会いにいってたということが発覚しました。
最初は否定していたのですが、とうとう居直ったのです。

そのときの言葉が「彼女はソールメイト(soulmate)である。」というものでした。
そして、公式会見の場で涙を流したのです。
(なお、涙といえば、プーチンがこのたびの大統領選挙の勝利宣言のときに
涙をみせましたね。)

通常に使われるソールメイトであれば、心の友達とか魂の友達ですから、
いわゆる清いつきあいで、非難されることはないのです。
ところが、この知事の場合はそうではなく、普通でいえば不倫にすぎないのですが、
それをソールメイトだと言い張ったのです。
ソールメイトと自分でレッテルを貼ったのですね。
同じ言葉を使いながら、実際は違った意味なのですが、こういう場合って
話が食い違ったままになりますね。
みんな話が通じないで、呆れるしかないわけです。

このドラマの女性も同じですね。でも本人がそう言い張る以上、そういう言葉で
進めていくしかないわけです。
彼女が異常なふるまいの女性として描かれているのは、そういうことです。

当時のアメリカでは、ソールメイトというとマーク・サンフォード知事のアルゼンチン
の恋人のことなのです。
ですから、異常なふるまいであるほどおもしろいのですね。
きっとアメリカでは盛り上がったと思います。

この話を知らない日本人には、面白さが分かりにくかったですね。

なお、20年も連れ添った知事夫人のジェリーは、やり切れないですよね。
結局離婚しましたが、彼女は、「stand bay man」は拒否しました。
当然ですよね。
ただ、この知事、辞めずに任期だけは全うしたのではないかと記憶しています
(間違っているかもしれません)。
「ソールメイト」だから問題ないといわれると、確かに言葉だけ聞けば反論できない
わけで、ただ実態を知っているものには、もういい加減にしてよと言いたくなります。

そういう感じはよく出ていましたね。

ただ、言葉って本当に怖いですね。
クリントンの「不適切な関係」も不適切ならやむを得ないかとなり、その後
日本でも「不適切」という言葉が氾濫するようになりました。
悪いと言っているようで実際は悪いと認めないという、責任逃れの言葉に
なりました。
そういえば「想定外」も同じですね。何でも「想定外」というと、責任がないとなって
しまうのです。
要は思考停止させてしまうのです。

マスコミの討論番組に出て、注目を浴び、政治の中核を占めるようになった
民主党の政治家がダメなのは、こういう言葉遊びをして今の地位につくように
なったからです。

今日は、この程度で・・・・・