あのころ

昔、音楽雑誌で
「ボクにとって、演奏したり曲書いたりするのってご飯食べたりするのと同じなんです」
なんていうインタビュー記事を読んで、２０年前のマヌケな私は、単純に”かっこいいなー”と思った。

残念ながら、私には「ご飯食べたりするのと同じ」ような創作活動などが身につくことがなかった。
凡人がそこまでの域に達するまでには、不断の努力と根性が必要であることは間違いない。
わかってはいるのだが、そこまで何かに打ち込む根性というものが、私にはどうやら備わっていない。

今日は午後から、となり町のバー＆ライブハウスにアマチュアバンドのライブを見に行った。
チケットをくれた友人のバンドがトップバッターで登場。
聞けば彼は午前中、娘さんの学芸会に出席し、父親としてしっかり”お勤め”を済ませてきたそうだ。
そして午後からは、１９８０年代に日本のみならず世界のジャズ・フュージョンシーンを席巻した
「カシオペア」というバンドの複雑難解な曲を見事に演奏。

私が今日、彼のバンドの演奏で最も興奮したのは、先月の札幌のライブでも好評を博したという「カシオペアメドレー」。
演奏される曲順は、なんと彼のオリジナル！
実は、私が彼に無茶ぶりながら「札幌で演ったメドレーが聴きたい」とリクエストしていた。
ほかのバンドメンバーから反対意見もあったそうで、間接的に私が無理強いをしたことになるから、
演奏が壊れてしまったらどうしようと多少責任を感じていたのだが、そんなド素人の余計な心配をよそに
７曲のメドレーを堂々と演奏。おそらく前回の演奏（札幌）のリベンジは、概ね達成できたのではないかと推測される。

カシオペアのライブの目玉というと、数々のヒット曲（あくまでもカシオペアのファンにとってｗ）を、
一つの楽曲にまとめ上げるメドレーなのだが、大学時代に住んでいたアパートで、私はライブアルバムを聴きながら
「うおー！」「わおおー！」「そうきたかー！」と訳も変わらず興奮していた。
その場に居合わせたのが彼である。一緒に盛り上がって、ゲラゲラ笑ってくれた。

あのころから２０年。
私は今もただのミーハーでしかないが、彼は違う。彼は、あのころの興奮を自分の手で再現しているのである。
ライブ前に彼と雑談程度に話していたフレーズを、さりげなくソロパートでやってのけるほど、余裕の演奏だった。
まさに彼にとってシンセを操ることは、「ご飯食べるのと同じ」なのでは？！と思わせる瞬間だった。

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このブログを作成していたら、彼からの長文メールが届いた。
ステージ上からは、カシオペアを知らない客の不機嫌そうな表情がモロ見えだったそうだ。
まあ、今日の客層はそんな感じだったかもしれない。

座った場所が良かったのか、ベース＆ドラムスが曲を引っ張っていくような感じに聞こえて、私にはとても良かった。
若い頃何度も聴いていたこともあり、「この曲だったら、ギターとキーボードはこんなカンジ」とインプットされているので、
どうしても、リズム隊に目と耳がいってしまう。あとはシンセの音色。
３０年前の音をどうやって再現するのか、毎回ドキドキしながら観ている。
今日は特に音がでかかったそうだが、私には前述のとおり、若い頃の予習が万全（？）であるため、さほど気にならなかった。
やはり私が一番の気になるのは、ベースとドラムスがどんな風に演奏しているかという一点、いや二点ということになってしまう。
でも、彼が今回も確信犯的にやらかした某フレーズと改良版の６連フレーズは、スグに分かったｗ

もうあれはいいわ、自粛を求めますｗｗｗｗ　
曲の品位を著しく落とします。
ホントに追放処分を喰らうよ

今年の彼のバンドのライブは今日が最後とのことだ。
また来年も拝見させていただきますので、よろしくお願いします。
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というわけで、改めましてＨＫくん、お疲れ様でした。
私も気合が入りましたよ。
では、股。