爪木崎散策を終えていったん下田市中心部に行き、国道414号線に右折して稲生沢川沿いに北へ向かいました。今回の巡礼旅行にて、ついでに行っておきたい所があったからです。下田市宇土金に所在する、公益財団法人の上原美術館でした。
上原美術館の公式サイトはこちら。
この上原美術館へは初めて行きました。昔、伊豆の仏像を勉強しに函南や韮山、河津などをまわった際に、あわせて行こうとしたのですが、事情があって行けなかった所でした。今回、下田市まで南下した機会に、ようやく訪問を果たす事が出来ました。
上図の、上原コレクションの仏像展示を見るのが目的でした。かつて藤原時代の仏像彫刻史を学んでいた身にとっては、ここの収集品は当該時期の名品揃いなので是非見ておきたかったのですが、10数年余りを経てようやく対面がかないました。
ここの仏像群は、大正製薬の名誉会長である上原昭二氏の収集品で、幾つかはもとは京都にあった遺品であるそうです。実際に相対してみますと、都ぶりの優美な作風と情感がそれを裏付けてくれました。なかなかに楽しい知的冒険を久しぶりに味わえました。
上原美術館から道を引き返して下田市中心街に戻り、上図のスーパー「マックスバリュ伊豆下田店」に買物に立ち寄りました。ただ立ち寄ったのではなく、このお店も「ゆるキャン△」に登場するからです。
鳥羽美波先生が最初に計画した爪木崎キャンプ場へ移動する途中、皆が食材の買い出しに行ったのがこのお店です。原作コミック第8巻97ページ1コマ目に上図のアングルで登場します。
今回、私もここで昼食用の弁当、飲料などを調達しました。地元では「シャボン玉スーパー」と呼ばれているらしく、現在のマックスバリュ店舗になる前の地元スーパーの名称であるようです。
下田市街から国道136号線で南西に抜け、やがて観光看板の標示にしたがって海岸沿いの市道へ左折、道なりにしばらく南下して、上図の竜宮窟に着きました。志摩リンが訪れた場所の一つです。
市道脇の観光駐車場に車を停め、駐車料金500円を係員に支払いました。
観光駐車場の南端にはお手洗いもありました。南には田牛の海水浴場が見えました。原作コミック第8巻71ページ1コマ目の風景です。
駐車場のすぐ脇に、竜宮窟への入り口があります。
竜宮窟へは階段を降りてゆきます。原作コミック第8巻71ページ3コマ目で志摩リンが降りていた階段です。
原作コミック第8巻71ページ3コマ目では広角レンズ風に丸くワイドに描いているので、上図の階段までが描写されていますが、普通のデジカメでは同じように撮れませんでした。
この時、かなりの見物客が下に居ましたが、外国人はかりでした。伊豆半島の南端においても、観光地に日本人の姿をみることが少なくなっているほど、日本国民の経済的凋落傾向は確かな流れになっているようです。
階段を降り切ると、目の前にこの景色が広がります。
原作コミック第8巻71ページ4コマ目で、志摩リンが「すごいな・・・」と思っている場面のアングルです。
原作コミック第8巻72ページ1コマ目では、上の穴全体を捉えていますが、普通のデジカメでは同じように広角ワイドに撮れませんでした。
太古に形成された浸食洞窟の天井が、いつしか崩落して吹き抜けとなり、時を経て穴が拡がってきたもののようです。
今でも少しずつ崩落があるということで、穴の周囲にあたる範囲は立ち入り禁止になっていました。なので、作中で志摩リンが立っていた位置には、実際には行けませんでした。上図の、波打ち際の辺りになります。 (続く)